「縮毛矯正」、がんのリスクを2倍に引き上げると判明。33,000人以上を対象にした大規模調査の結果が明らかに
すでに訴訟も
NIEHSの研究発表から数日後、10歳の頃から縮毛矯正製品を使用していたミズーリ州の32歳の女性、ジェニー・ミッチェル氏が、彼女が使用した製品を製造する5社を相手に訴訟を起こしたとワシントン・ポストが伝えている。ミッチェル氏は2018年に子宮がんと診断され、子宮摘出手術を受けることになった。彼女は金銭的な損害賠償と医療モニタリングの費用を各社に求めており、彼女の弁護士は今後もこうした訴訟が増える可能性が高いと述べている。 「黒人であるミッチェルは、ロレアルが黒人女性や少女向けに髪を矯正する製品を意図的に販売し、少なくとも2015年から危険性のある化学物質が含まれていることを知っていたにもかかわらず、危険性を警告しなかったと訴えている 」とロイター通信は報じている。 一方、ミッチェルが使用したという製品の一つの親会社であるロレアルは、ポスト紙で「自社の製品には自信があり、安全性については厳格に評価されている」と述べている。また、この研究では、がんと縮毛矯正剤の間に直接的な因果関係は認められないと指摘している。
縮毛矯正をしてしまったら・・・?
パニックになる前に、少し落ち着いて考えてみて。子宮癌はアメリカで最も一般的な婦人科系がんであるものの、全体としてはかなり稀。リスクが2倍になったとしても(研究によれば、約1.6%に対し約4%)、その可能性は高くはない。また、NIEHSの研究は関連性を示しただけで、縮毛矯正が癌を必ず引き起こすというわけではない。 また重要なのは、参加者は2003年から2009年の間に集められ、彼らは単に“ストレート剤”について尋ねられたということ。「自宅でのホームケア製品と、サロンでの施術を区別しなかった」と、研究主任のアレクサンドラ・ホワイト博士はグッドハウスキーピングに語った。つまりこの研究結果は、縮毛矯正剤として販売されているすべての製品、または現在販売されているすべての製品に全面的に適用されない可能性があると彼女は言う。 縮毛矯正剤とみなされる製品の種類によって成分が異なり、この研究ではそれぞれの化学物質を個別に調査していない。そのため、どの製品が有害であるかは、さらなる調査なしにはわからないとアグー博士。 最後に、研究者たちは、化学的な縮毛矯正剤を“頻繁に”使用することを、直前の一年間に4回以上と定義した。使用頻度が低い参加者にも子宮体がんのリスクはあったが、統計的に有意と言えるほどではなかった。