「モネ 睡蓮のとき」が国立西洋美術館で10月開催。2m超の「睡蓮」など50点で“光の画家“の集大成を見る
会期は10月5日~2月11日。世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含む50点が来日
パリで開かれた第1回印象派展から150年の記念すべき今年に、印象派を代表する画家であるクロード・モネ(1840-1926)の展覧会「モネ 睡蓮のとき」が、国立西洋美術館で10月5日~2月11日まで開催される。本展は、世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含む厳選されたおよそ50点が来日。日本国内の所蔵作を加え、晩年の制作に焦点を当て、“印象派を超えた“モネの芸術の豊かな展開をたどる。 モネが40歳を過ぎて移り住んだ、ジヴェルニーの終の棲家。そこで生み出されたのは、自らが丹精込めて造った庭を描いた作品の数々。その後半生を捧げることになるのが睡蓮の花咲く池であり、〈睡蓮〉の大画面の絵画に囲まれる展示空間を最後まで追求し続けた。本展では、最初期の貴重な作例から見るものを没入体験へといざなう大画面にいたるまで、〈睡蓮〉の奥深い世界を通してモネ晩年の制作の核心に迫る。 印象派を代表する画家のひとりであるモネは、一瞬の光をとらえる鋭敏な眼によって、自然の移ろいを画布にとどめた。しかし後年になるにつれ、最愛の家族の死や自身の眼の病、第一次世界大戦といった多くの困難に直面し、その芸術はより抽象的かつ内的なイメージへと変容してゆく。そのようななかで彼の最たる創造の源となったのが、ジヴェルニーの自邸の庭に造られた睡蓮の池に、周囲の木々や空、光が一体となって映し出されるその水面。この主題を描いた巨大なキャンヴァスによって部屋の壁面を覆いつくす“大装飾画“の構想が、最期のときにいたるまでモネの心を占めることになる。 本展の中心となるのは、この試行錯誤の過程で生み出された、大画面の〈睡蓮〉の数々。 “光の画家”の 集大成となる、モネ晩年の最重要テーマ「睡蓮」に焦点を当てた究極のモネ展。「睡蓮」の作品20点以上が展示され、日本では過去最大規模の〈睡蓮〉が集う貴重な機会となる。 2mを超える大画面の〈睡蓮〉に囲まれて、モネの世界に浸る本物の没入体験。画家がその長い道のりの果てにたどり着いたその境地を堪能したい。
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