東芝2015年第3四半期連結決算発表(全文2・質疑応答)損益最大、危険水域?
赤字拡大の理由と今後の決意について
日本経済新聞:日本経済新聞のタナカです。3問、お願いします。1つ目、室町社長にお伺いしたいんですが、今回また赤字が拡大しますと、年度で赤字が増えるんですけども、なぜ拡大しなきゃいけなかったのか、または拡大せざるを得なかったのか、そこに対する決意とか、または狙い、もちろん拡大せざるを得ない理由もあるかと思うんですけども、今年度中に全てを終わらせるという意思表示なのか。その辺りの決意をまず教えていただけますか。 室町:赤字が拡大した原因の中には周囲環境の変化、例えば年金の調整の問題、運用の調整の問題だとか、そういったこともございますけれども、基本的にはやはり16年度V字回復をさせるという状況の中で、特に金融機関からはなんとしても今年度にうみを出し切ってもらいたいと。そういうこともございますし、私としても16年度V字回復をすると、そういう強い決意の下に、各事業体にはそういうお話を最大限検討するように指示をいたしました。 そういう状況の中でやはり来年度を考えたときに、在庫をこれ以上持てないとか、それから少しコストを削減するために、さまざまな構造改革を断行しなくてはいけない、事業体のほうからそういう検討結果が出てまいりまして、それをきちんと認めて、そして来年度の回復を期待すると、そういうメッセージも込めて事業部長以下にはお伝えしております。従いまして回答といたしましては、今年度なんとしてもうみを出し切って、来年度のV字回復を図る決意の表れということでご理解いただきたいと思います。 日本経済新聞:2つ目ですが、そうは言っても損はもうこれで拡大しないのかというところはマーケット、特に投資家の方は特に敏感に反応されると思うんですけども、今回ウエスチングハウスは減損必要なしという判断をされまして、ただそのほかの事業、ライフスタイルも含めてですけども、これが本当に第4四半期にかけて、現時点でもうすでにうみを出し切って、一段の資産悪化っていうのはないのか。それともまだやってる最中なのか、その辺りの感触を教えていただけますか。 室町:構造改革の中で一番重要な人員等の削減につきましては、おしなべて今のところ予定どおりに進んでると思っております。それからさまざまなコスト削減策につきましても、ほぼ予定どおりいってるというふうに考えてございます。 従いまして、来年度の見込みについて、もう少しきちんと評価するようなストレス試験をかけた上で評価を、再評価、今、作業を進めておりまして、それでもし未達の場合にはなんらかの対策を追加で計上するということがございますけれども今回、お出ししました見込み、これを下回ることはおそらくないとは思っております。ただいろんな大きな環境変化があった場合とか、そういう場合にはまた下振れする可能性は全くゼロということは、今の段階としては申し上げることはできないと思います。 日本経済新聞:最後なんですけども、先ほどの質問の中で詳細な回答を出されてなかったのでお伺いしたいんですが、自己資本がかなり今回疲弊をする見通しです。東芝メディカルの売却っていうのもあるんですけれども、それを入れてもやはりまだまだ10%いけるのかどうかみたいな水準だと思うんですけども、それが実現しない場合はやっぱり3%を切るという本当に危機的水準、債務超過のリスクも高まると思うんですが、これに向けて銀行、いわゆる資金繰りのほうで、何か銀行さんと練ってる対策、または銀行からどういうふうな回答を得ているのか、あらためて教えてください。 室町:資金繰りにつきましては、金融機関と私も自らいろいろトップ折衝をさせていただいております。そういう状況の中で、やはり金融機関としては先ほど申し上げたように、少なくとも今年度、うみを出し切りなさいという話。それから少なくとも株主資本はマイナスになっては困ります。それから純資産ですね。純資産はまだございますけれども、純資産がマイナスになったらこれはとんでもないと、こういうことを言われておりまして、そこのところはちゃんと手当てができるように対策をしたいと思ってますし、そういう条件が整えば、金融支援については全力を尽くしますと。そういうお話をいただいてるところではあります。