アクティビストの日本株投資が4年ぶり最高、自社株買いに次ぐ存在感
アクティビストは資本効率の改善に向けて資産売却や自社株買いを促したり、不動産の含み益を株主に還元するよう求めたりすることが多く、経営方針についてより具体的な要求を出すこともある。もっとも、アクティビスト側が投資先企業への要求・要望を公開することはまれで、実際には水面下で交渉が行われるケースが多い。
世界最大のアクティビスト投資家である米エリオットは今年、ソフトバンクグループを含む日本企業4社に投資。20年から23年の4年間でわずか3件にとどまっていたこれまでと比べて急拡大した。
香港拠点のオアシスも、同ファンドとしてブルームバーグの記録で過去最多となる12社に新規投資したことが公開されている。国内勢でも旧村上ファンド系の動きが活発だ。
BIのまとめによれば、アクティビストファンドの日本株保有額は4兆8000億円と、東証全体の時価総額の0.5%程度に相当する。公開情報に基づくと、最大の投資家はエフィッシモ・キャピタル・マネージメントで、川崎汽船や第一生命ホールディングス、リコーなどの株式を大量保有している。英シルチェスター・インターナショナル・インベスターズも日本企業30社以上に投資をしている。
市場関係者はアクティビストの活発な動きが来年も続くとみている。政府が企業による政策保有株の解消を迫る中、経営側もかつてのように「安定株主」には頼れなくなっている。
モルガン・スタンレーMUFG証券の中沢翔ストラテジストは、「資本効率の改善に向けた取り組みに注目が集まる中、親子上場の解消や政策株の縮減、キャッシュを生まない資本の活用を求めるアクティビストが増える可能性は高い」との見方を示した。
--取材協力:横山桃花.
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Hideyuki Sano