トランプが勝利したのは「ポッドキャスト」で若い男性の心を掴んだためだ
高齢者向けTV
フォックスの350万人の常連視聴者の内訳を見ると、70%が50歳以上で、45%が女性だ。ケーブルニュース視聴率2位のMSNBCは、平日はだいたい150万人の視聴者を集める。その視聴者の中央値は70歳の女性だ。 つまり、ポッドキャストは若い男性の大規模な視聴者層を持つ一方で、従来のケーブルニュースが抱えているのは高齢女性の小規模な視聴者層なのだ。人々はポッドキャストを聴いて新しい知識を得る。一方、ケーブルテレビを見るのは、自分がすでに信じていることの確認のためだ。前者の方が候補者にも広告主にとっても、はるかに魅力的なのは明らかだ。 ローガンの聴取者層の内訳は、80%が男性、93%が54歳未満、56%が34歳未満だ。34歳未満の男性は広告業界では「グレート・ホワイト・ライノ(大型白サイ)」と呼ばれる。消費者ジャングルで最も価値のある獲物であり、その捕獲はますます困難になっている。 わたしの『Prof G』ポッドキャストの平均的なリスナーは、35歳の男性で、年収約15万ドルだ。わたしは時々、この聴衆のことを──愛情を込めて──「お調子者たち」と呼んでいる。彼らには自由に使えるお金があり、恋愛適齢期にいるため、性的魅力を高めようと、ありとあらゆる利益率の高い商品を買い漁る傾向がある。 また、この層は野心的な政治家たちがアプローチしたい層でもある。バイデンに対する民主党予備選での短期間の挑戦者となったミネソタ州選出のディーン・フィリップス下院議員も、バイデン大統領の討論会での惨めなパフォーマンスの後、辞任を求めて声を上げたマサチューセッツ州選出のセス・モールトン下院議員も、わたしの『Prof G』ポッドキャストに出演し、わたしに気を遣ってくれた。 そして、彼らはきっとまた出演するだろう。これはわたしの人柄の魅力のためではない。2人とも大統領になることを目指しており、若い男性層での知名度を上げる必要があることを理解しているからだ。この計算は単純な算数だ。新聞がグーグルやMetaに市場での重要性を奪われたように、ケーブルニュースはポッドキャストにその地位を奪われつつあるのだ。