大阪「咲くやこの花館」25周年 ── 進化する植物園
楽しく学べる植物園へ進化加速
久山館長は「植物が進化するように、植物園も進化しなければいけない。植物園の進化を支えるのはすぐれた人材」と、進化と人材の連動を強調する。 「当館にはサボテンや熱帯植物、ランなど、専門分野の異なるベテラン職員が集まっている。館内のサボテンがあまり花を付けなかったが、サボテンの専門家に任せることで、花を咲かせる環境を醸成できた。開館以来25年間で、内外の植物研究者や植物園と情報交換できるネットワークを構築してきた。他の植物園を指導できる実力と、適切な情報に耳を傾ける謙虚さを併せ持って進化に臨んでいる」(久山館長) 今年1月、日経新聞の「温室のある植物園」ランキングで、51植物園の中で同館が2位に輝く。クイズラリーや食虫植物の捕虫体験会など、親しみやすいイベント展開の実績が評価された。 これからの展望は「何度も足を運んでいただき、楽しく学んでいただける植物園にしたい」と久山館長。「若い広報スタッフたちからの企画提案に期待している」と、新しい世代を巻き込んだ進化をめざす。 久山館長自身、若いころから50か国あまりの山野を歩き回り、野生植物の生態調査に打ち込んできた。館長職の激務をこなしながらも、「世界には未知の植物がたくさんある」と、研究心をかきたてる。 同館では25周年を記念したパネル展、講演会や「サボテン&多肉植物展」などを連続開催。午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)、月曜休館(月曜が休日の場合、翌日休館)。入館料大人500円、中学生以下無料。詳しくは同館の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)