インテリアのプロが2025年のトレンドカラーを予測
トリュフ・ブラウン
最初に紹介したいのは、今年、すべての色の母体となったブラウン。年が明けた頃、「2024年の色」として各国の塗料会社にもてはやされた。そして、その予想は間違っていなかった。時に亜麻色やオートミール色、クリーム色などさまざまなニュートラルカラーに姿を変えるブラウンの勢いは、止まることを知らない。 ロウズ社が展開する床材・塗料ブランド「ステインマスター」は、チョコレートとトープを融合させたリッチな"トリュフ"を2025年の色に選んだ。「"トリュフ"は、さまざまなスタイルのインテリアを引き立ててくれます。それこそ、モダンなミニマリズムからラスティック・シックまでね。そして、やわらかいニュートラルカラーに、大胆ながら深みのある色、その他多種多様の色と共に美しいレイヤーをつくり、あらゆる空間を洗練させます」とプレスリリースの中で述べているのは、モニカ・リーズ。ロウズ社のトレンド&スタイル部門を率いるディレクターだ。 Etsyのジョンソンによると、このようなアーシーな色は、小売業界でも無視できない存在になりつつあるという。「木製のオーナメントにウォールアート、ドライフラワー、ガーランドから、肌触りのいいブランケット、ニュートラル・ブラウンの心地よいカラーパレットまで消費者は、アーシーカラーを多彩なやり方で取り入れています」と彼女は言う。 「こうした色は、気分をやわらげてくれるニュートラルカラーへの回帰を象徴しています。主役の座を奪われつつある鮮やかな色とは異なる、主張しすぎないクリエイティビティが特徴的です」
エッグプラント・パープル
トレンド予測を専門とする人々は、ここ最近、パープルが注目を集めてきたと主張する。現状は、その予測通りのようだ。ランウェイでは、パープルはペリウィンクル色(パープルとブルーの間にある色)のスーツやライラックのニット、ラベンダーのパターンに彩られたドレスに姿を変え、存在感を誇示した。だが、これはデジタル・ラベンダーという新色が、プリンスを思わせる熱情をまとうミレニアル・ピンクの座を奪うまでの話。そのような中、各社からトレンドカラーの予測が集まってきた。「ミンワックス」は"バイオレット"、PPG社の「グリデン」は"パープル・バジル"、「シャーウィン・ウィリアムズ」は数あるラインナップの中から"モーブ・ファイナリー"を挙げた。そして、「ベンジャミンムーア」の予測(それは"シナモン・スレート"、マディでくすんだプラム色)まで出そろう頃には、何か不思議な空気が漂い始めてきた。これは、どんな事態なのか…。 デザイナー、マーティン・ローレンス・ブラードは、エッグプラント・パープルを最近、いたる場所で見かけると話す。「これからは、無地やテクスチャーとしてだけではなく、さまざまなファブリックを彩るパターンの背景として取り入れられることでしょう」と彼は言い、続ける。「この深く、セクシーな色は、内装にも家具にも使われます。官能的でもあるエッグプラント・パープルは、周囲に温かくドラマチックな空気感をもたらします」 これは、塗料だけの話ではない。ニューヨークを拠点とする石材会社、 BASスタジオ のディレクターを務めるカティベル・シャーキーは、インテリアにおいてパープルが新たなニュートラルカラーになっていると話し、大理石やキャビネットの仕上げとしても需要が高いと指摘する。「パープルは2025年においても高い人気を誇るでしょう。グリーンやオレンジの筋が入ったパープルのような、新しいバリエーションが生まれ、デザインに個性的なレイヤーが生まれるかもしれません」