「また始まった…」妻の愚痴に毎日付き合うのが苦痛…聞くことを拒否しようものなら大変なことになる、その“問題”の解決法
たとえば、女性の友人から次のような相談をされたら、皆さんはどう対応しますか? 「いま付き合っている彼氏がいるのですが、暴力をふるいます。機嫌が悪いと、蹴ったり叩いたりしてきます。でも、暴力があったあとはすぐに反省して心から謝ってくれるし、すごく優しくなります。暴力がイヤだから別れたいけど、その優しい彼が好きで、離れられません。どうしたらいいのでしょうか」 安易には返答しにくい、ナイーブな相談です。
そのため、傷ついてる彼女の気持ちを考え、彼女の意見を否定せず、全面的に寄り添うようなアプローチをとるべきでしょう。しかしその場合でも、じつは2つの種類があります。 同感アプローチと共感アプローチです。 その友人に対して、何らかの意見を主張したなら、それは「同感アプローチ」になっています。 ・別れた方がいいんじゃない? ・別れられないということは、まだ好きなんじゃないの? ・あなたがどうしたいかが大切なんじゃない?
・専門家に相談するべきなのではないか ・代わりに私が専門家に掛け合ってみようか? ちょっとわかりづらいのですが、上記の発言には、相手に寄り添っているようで、じつは真っ先に自分の意見が現れています。いわば、同感だという自分の意見を、相手に通そうとしているわけです。 では、「共感アプローチ」とはどういう対応になるのでしょうか。 ・「それはつらいね」 相手が感じているように、自分も感じとるだけ。 これが、共感アプローチです。
暴力も振るわれていて、身の危険もあるこの状態を、共感アプローチだけで済ませることは、男性脳ではありえないことでしょう。すぐにでも行動を起こし、解決に向かいたい衝動があるはずです。 ところが、ただ話を聞いて共感してほしいだけなのです。 この話をもとに私は、ビジネスの世界でも共感アプローチの姿勢を重視し、「アプローチの順番が大事」だと伝えています。 同感アプローチでは、自分の意見が先に来ます。これを上司が部下に行った場合、一見寄り添っているようであっても、上司は部下の話を聞かない、ということになります。