東名も中央も東北道も常磐道も首都高と繋がっているのに関越だけ未接続! 幻の「練馬線」はどうなった?
ほぼ実現されることはなさそうな首都高練馬線
とはいえそんな関越道も、首都高と直結させる計画がなかったわけではない。 首都高にはもともと「10号線」という計画があった。現在の10号線は「首都高10号晴海線」のことを指すが、オリジナルの10号線は、練馬区上石神井付近で外環道と接続する構想の首都高速道路だった。その後、関越道が徐々に延伸されるにつれて10号線の計画は変更され、路線名は「練馬線」という名称に変更。そしてコースも変更され、文京区関口付近で5号線から分岐して、目白通り付近を進んで「関越道に直結する」という計画になったのだ。 しかし、この計画も「そのような接続をしたら5号線が大渋滞して大変なことになる!」などの理由で遅々として進まず、結局はお蔵入りとなった。 だが、そんな「幻の首都高練馬線」も100%お蔵入りとなったわけではなく、現在も首都高練馬線はいちおう「首都圏整備計画」のなかで、中央環状線と関越道を結ぶ「高速練馬線」として調査を推進する路線という位置づけにはなっているのだ。 だがこれも、実際には「限りなくお蔵入りに近い」といっていいだろう。 いまさらC2山手トンネルと接続させる新JCTを建設するのは事実上ほぼ不可能であり、1996年に圏央道が開通したことが、よりいっそう「いまさらC2山手トンネルに新JCTを建設するインセンティブ」を減じさせている。 さらには「地域住民の反対感情」というのもある。2020年10月に、外環道のトンネル工事に関連して東京都調布市の住宅街で道路が陥没してしまったこともあって、関連する地域住民の感情が「新路線&新JCTウェルカム! どんどん工事しちゃってください!」となることはまずないはずだ。 ということで、関越道と首都高の直結については「計画はいちおうあるが(残っているが)、実質的にはないに等しい」というのが結論となる。 まぁ100年後か200年後ぐらいに「首都高練馬線」ができあがる可能性もゼロではないが、その頃には筆者もあなたも生きてはいない。そして「クルマ」という形態がいまのまま残っているかどうかも、微妙に怪しいところだろう。
伊達軍曹