辺野古移設、28日に軟弱地盤の改良工事に着手へ 沖縄・玉城知事「直前に連絡」と不快感
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、防衛省沖縄防衛局は28日、大浦湾側の海域で軟弱地盤の改良工事に着手する。玉城デニー知事が27日の定例記者会見で、国から県に連絡があったと明らかにした。軟弱地盤は最深部で約90メートルに及び、約7万1千本のくいを海底に打ち込み、地盤を強化する。一連の工事の工期は9年3カ月。「世界一危険」と言われる普天間飛行場の移設工事が本格化する。 【写真】故に伴う作業中断前、本部港塩川地区で行われていた「牛歩」による抗議活動 玉城知事は会見で「政府の取り組みは、このように直前の連絡しかない」と不快感をあらわにし、「われわれの求めている協議による事業の状況の確認が重要だ」との認識を示した。 沖縄防衛局は産経新聞の取材に「施工実績が豊富な工法で地盤改良工事を行うことで十分に安定性を確保し、護岸などの施工が可能であることを確認している」としている。羽田空港D滑走路や関西空港などで施工実績のある工法だという。 沖縄防衛局は1月、大浦湾側の埋め立て区域の外側で箱形コンクリートを仮置きする海上ヤード設置のための工事に着手。8月には、コンクリート製の護岸を整備するため、くい打ち作業を開始していた。 辺野古移設について玉城知事はこれまで、「普天間の一日も早い危険性の除去につながらない」と指摘しており、移設断念を要求するとともに、日米両政府と米軍に「対話で解決を図る民主主義の姿勢を強く訴えたい」との考えを示している。