SFL2024プレイオフレポート。Sリーグ覇者はGood 8 Squad、Fリーグ覇者はYogibo REJECTに決定!参加の全6チームインタビュー
12月21日~22日、格闘ゲーム「ストリートファイター6」によるチームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2024(以下、SFL2024)」のプレイオフが開催された。選手たちはオフラインで対戦し、視聴者はZaikoの有料オンライン配信にてリアルタイムでの視聴が可能。試合の模様については、後日YouTubeなどでも無料公開される予定となっている。 【画像】実際の現地でのインターバルの様子 SFL2024では前年度から新たに2チームが追加となり、全12チームでのリーグ戦となった。チーム数の増加に伴い、今年はSFL2023の成績順で割り振る形でSリーグとFリーグの2つに分けた「2ディビジョン制」とし、それぞれのリーグ上位3名がプレイオフに進出、プレイオフで勝利したチームがそれぞれのリーグ代表として、来年2月に行なわれるグランドファイナルで頂点を決める。 S/Fリーグは8月~11月までの3カ月間で全10試合が行なわれ、結果としては、Sリーグ1位がGood 8 Squad、2位がFUKUSHIMA IBUSHIGIN、3位がSaishunkan Sol 熊本、Fリーグは1位がYogibo REJECT、2位がCrazy Racoon、3位が広島TEAM iXAとなった。両リーグとも波乱万丈な展開が各所で見られ、特にSリーグにおいては、最終10節が終わるまでプレイオフ進出チームが決まらないほどの接戦だったし、Fリーグも3位の広島TEAM iXAと4位のVARRELのどちらが進出するかは最終日まで分からずのギリギリの展開だった。 本稿では2日間のプレイオフの展開や会場での選手たちの様子、試合終了後の選手たちの声などを中心にお届けしていきたい。また、本文中では選手の敬称は略している。 なお、プレイオフ配信の冒頭では、2日ともS/Fリーグそれぞれの本節にて行なわれた試合の集計データを元に新たに創設された各賞が発表された。Sリーグのドライブインパクト賞は名古屋NTP OJAの立川、最高勝率賞はGood 8 Squadのぷげら、最多獲得ポイント賞は忍ism Gamingのももちとなった。 また、Fリーグにおいてドライブインパクト賞はYogibo REJECTのときど、最高勝率賞は同じくYogibo REJECTのときどとLeShar、最多獲得ポイント賞もLeSharとなり、さらにS/F両リーグ通して最も活躍した新人、SFL新人賞にはやはりYogibo REJECTのLeSharが選出されることとなった。 ■ SリーグはGood 8 Squadが頂点に! SFL2024プレイオフ1日目はSリーグの2試合が行なわれた。プレイオフはリーグ3位のチームと2位のチームが試合を行ない、ここでの勝利チームがリーグ1位のチームと試合を行なう。いずれも従来リーグと同じく両チームがホームとアウェイに分かれて先鋒、中堅戦が10ポイント、大将戦が20ポイントで交互にホームを入れ替えて試合を行ない、70ポイント先取したチームの勝利となる。 SリーグのMATCH1はホームが2位のFUKUSHIMA IBUSHIGIN、アウェイが3位のSaishunkan Sol 熊本。1巡目はSaishunkan Sol 熊本が30ポイント獲得してリード。2巡目もSaishunkan Sol 熊本が30ポイント獲得で累計60ポイントとなり、3巡目の先鋒戦にてSaishunkan Sol 熊本がそのまま勝利して70ポイント獲得し、最終的に70-20でMATCH1を勝ち抜いた。 続くMATCH2はリーグ1位のGood 8 Squadがホーム、MATCH1を勝ち上がってきたSaishunkan Sol 熊本との対決となり、1巡目はGood 8 Squadが30ポイント獲得でリード、2巡目もGood 8 Squadが30ポイント獲得し、累計60ポイント獲得。運命の3巡目、中堅戦でGood 8 Squadが勝利したことで70ポイント獲得となり、最終的には70-30でSリーグの頂点にはGood 8 Squadが立ち、グランドファイナルへの進出を決めた。 今回のプレイオフ1日目ではGood 8 Squadが驚きの隠し玉を見せてきたのが衝撃だった。2巡目Good 8 Squadがアウェイの場面、大将にはぷげらのジュリが登場したのだ。大会などの公式戦では主にベガを使用するぷげらが過去に使用していたジュリを再度起用のサプライズは会場にもどよめきが走った。しかもより多くのポイントが動く大将戦という場面での起用ということで誰もが試合に注目したが、ふ~どのエドを撃破して勝利を決めることとなった。 FUKUSHIMA IBUSHIGINのメンバーたちへの試合終了後のインタビューでは、プレイオフの感想について聞いてみた。ササモは「プレイオフに出られたことがまず嬉しかったので、勝ち負けよりは全力を出し切るっていう方向にフォーカスをしていて、今の限界という意味では出しきれたのかなと思いますが、やっぱり勝負事なので負けた今はすごい悔しい気持ちでいっぱいです。ただ、やっぱりネモさんやひぐちなど、自分にとって思い入れのある人たちと肩を並べて戦えたのは嬉しかったです」とコメントした。 ヤナイも「初出場でいろいろどうなるか分からなかったところでプレイオフまで来られたのは、負けてはしまったんですけど、本当にいい結果だったと思います。プレイオフではウメハラさんの対策を積んでいったことで1勝できましたが、最後の大事な局面で勝てなかったのは悔しさが残ります」と涙をこらえて語ってくれた。 cosaは「この1カ月、練習していてすごく苦しかったですね。対策期間が長すぎるが故に少し迷ってしまうところがあったので。ただ、自分としては、相手チームの選手たちの底知れない強さとかも感じましたが、対策してきたことや想定してきたことそのものは間違ってなかったんだなという実感もあったので悔しいですけど……届きそうで届かなかったんで……やっぱり悔しかったですね」と考えがまとまらないとしつつ最後は悔しさを見せた。 メンバーたちのコメントを受けて翔は「僕個人としては結構リーグで右肩下がりで動きが悪くなっていったので、今回のプレイオフに関してはその原因を特定して、まずは自分らしい動きをしようという意識をして臨みました。その甲斐もあって結構自分の動きとしては、ベストな動きができたのかなと思うんですが、惜しくも負けてしまって……。 ただ、チームとして70-20と大差で負けたように見えますが、僕だけじゃなくてメンバー全員(の試合)もすごいいい内容ではあったので、それぞれがもう1歩届かなかったなと感じます。ただ、メンバー全員悔しいと思うんですけど、みんな自分のベストなプレイをできたと思うので、そういった意味で すごくいい経験が積めたので、来年もまたSFL参加させてもらった時にこの悔しさをバネに優勝できたらなっていう風に思います」とした。 リーダーとメンバーとでそれぞれ声を掛け合うやり取りの中では翔がcosaに対して「刺激を貰えた」とコメントするとcosaが翔に対して「こちらも翔から1番いい栄養を貰えた」と返すような場面も見られた。 また、配信ではあまり聞こえなかったが、試合中の応援などでメンバーたちからプレイしている選手に向けて「ポテト!ポテト!」や「モモ!モモ!」などの謎の声掛けがあったため、それについて確認したところ、残念ながらトップシークレットということで、明確な回答は得られなかったが、cosaからは「秘密ですけどちゃんと意味はあります」としており、野球のサインのようにチームメンバーだけが共有しているサインと推察できるが、これまでのチームには見られないユニークな試みだと感じられた。 Saishunkan Sol 熊本のメンバーたちへの試合終了後のインタビューにて、プレイオフの感想を聞かれたネモは「1カ月間、プレイオフに向けて練習に取り組んできたんですが、オフラインでの練習も増えたり、チームとしてのまとまりもすごくよくなってきたかなと思ったんですが、正直作戦については、FUKUSHIMA IBUSHIGIN戦は用意してきた物がバチっとハマったと思うんです。でもGood 8 Squadは向こうが変化球用意してきたなという感じで、仕方なかった面もあったかなと思っちゃいました。練習の成果は出せたので、それが結果につながらなかったのは残念でしたが、後悔はあまりないです」と語った。 ひぐちは「プレイオフは1日2試合やるかなりハードなスケジュールだったんですが、その中で楽しいこともあってすごくいい思い出になった感じですね。喜怒哀楽を楽しめたって感じでチームメイトの3人に支えられてここまで来られたのでそこに感謝です」とした。 ウメハラは「とにかく強いチームで出られて感謝感謝の1年でした。自分が出なくてもどんどん上位に上がっていく様は猛獣使いになったような気分で初めての経験でした。それだけに後半は役に立ちたいなという気持ちはあったんですが、ちょっと結果が奮わず、そこは個人的に残念です」とした。 ふ~どは「FUKUSHIMA IBUSHIGIN戦は1勝1敗だったんですけど、Good 8 Squad戦は2回負けちゃったのが迷惑かけちゃったなぁと。内容自体もちょっと実力不足感があったのと、中段食らって負けたり、画面端でインパクト食らって負けたりなどが多くて申し訳なさがハンパなかったです。チームメイトが見ててアドバイスできない負け方は控えたいという反省の1日でした」と振り返る。これにウメハラが「俺らもあと10年若ければな」とフォローして笑いを誘った。 また、試合前のコメントにて、メガネを忘れてきたと発言したウメハラに試合への影響などについて確認したところ「メガネについては、疲労を防ぐ用途で使っていて、長時間ゲームしてる時などはかけていないとかなり影響が出てしまいますが、今回くらいの短期間なら問題内です。あとオフの大会などで、画面までの距離が遠い時などは役に立つんですけど、今回は自分で画面との距離が調節できたのと、試合数も少なかったので影響はなかったですが、残念ながら負けてしまいました。いや、メガネのせいかな」と付け加えて苦笑いを見せた。 見事にグランドファイナルへの切符を手にしたGood 8 Squadのメンバーたちへのインタビューにおいて筆者が最も気になったのは、アウェイの大将戦にジュリを持ってきたことだったので、その件についてぷげらに話を伺うと「アウェイとはいっても、誰に誰が来るのかを考えて対戦相手を想定した時に、2先で戦うよりも3先で戦う方が勝率が高くなるだろうと。また、うまくいかなければ(これまで使っていた)ベガにチェンジできるので、受けとして強いんじゃないかと考えました」とコメント。 また、リーグ中は“エドキラー”としてダルシムでエドとマッチングすることの多かったYHC-餅に今回のエド戦に出なかった理由について聞くと「今でもエド戦は磨いていて、自信がある組み合わせなんですが、今回に関しては(実際に試合に出た)カワノくんの方が勝率が高かったので出てもらった感じですね」とした。 そのカワノは「エドがきついんでエドを担当します、という訳の分からない理論で集中してエド対策をやらせてもらいました。こういうのは結構自分に向いているので、自由にやらせてもらえたのがよかったです」としており、エド担当として集中してエド戦を仕上げた経緯を示した。 グランドファイナルまで1カ月ほどの期間が空いて一段落ということで、その期間に何がしたいかという質問にガチくんは「やっぱりちょっと休みたいですね。プレーオフが終わったらすぐクリスマスなので、家族でなんかのほほんとしようかなと思ってます」とした。 カワノは「最近意外と練習がちょっと楽しくなってきていて、技術的に不可能かなと思っていたことが意外と練習でどうにかなることが多くて、もうちょっといろいろと工夫して取り組んでみたい」と意欲的な姿勢を見せた。ぷげらも「カワノと同じで、最近ジュリの練習をやっていて、まだいろいろと伸ばしどころがあるなとシンプルに練習自体が楽しかったので、グランドファイナルに向けてしっかり自信が付けられるまでしっかりやりたいですね」とした。 リーダーとメンバーとでコメントを返しあう場面ではぷげらからガチくんに「ちょっと練習しすぎじゃない?」とコメントするとガチくんから「でも最近あんま練習してなかったんよな」と返し、それを受けてぷげらが「でもこうして成果が出ているのをみると、やっぱ練習は正義なんかなって思っちゃうから、1番頼れる大黒柱なので、グランドファイナルも頼りにしています」とまとめた。 ■ FリーグはYogibo Rejectが完封試合でトップの座に君臨! プレイオフ2日目はFリーグの2試合が行なわれた。MATCH1はホームがリーグ2位のCrazy Racoon、アウェイがリーグ3位の広島 TEAM iXAだったが、全試合をCrazy Racoonが勝利するという圧倒的な展開となり、3巡目を迎えることなく、80-0でCrazy Racoonが勝利し、MATCH2に駒を進めた。 次のMATCH2はリーグ1位のYogibo REJECTがホーム、MATCH1で勝利したCrazy Racoonがアウェイでの試合となったが、今度は全試合をYogibo REJECTが勝利するという衝撃の展開となり、3巡目を迎えず80-0でYogibo REJECTが勝利し、Fリーグの頂点に勝ち上がり、グランドファイナルにてSリーグ覇者のGood 8 Squadと対決することとなった。 プレイオフ2日目の衝撃はなんといっても広島 TEAM iXAが「隠し玉」とも言えるユニークなキャラ起用を見せてきたことだろう。配信などでは話題になっていたひかるのエドモンド本田が大将戦で登場したからだ。これまでのリーグではA.K.I.やマノンなどのキャラクターを見せてきたひかるがエドモンド本田をどこまで仕上げてきたのかが注目のポイントだったが、残念ながら2試合出場して、惜しくも敗戦という結果となった。 また、Crazy RacoonのShutoも隠し玉として、最近はあまり表舞台では使用していなかったマリーザを当ててきた展開にも衝撃が走った。こちらも残念ながら奇襲は失敗に終わってしまったが、各チームが少しでも勝率を高めるためにいろいろな策を講じる展開は胸が熱くなる。 広島TEAM iXAのメンバーたちへの試合終了後のインタビューでは、観戦する側からすれば奇策とも見えるエドモンド本田の起用について、ひかるに話を聞くと「プレイオフに向けて(エドモンド)本田を準備したのは、どうしてもCrazy Racoonのキャラ構成が豪鬼、豪鬼、キャミィ、ベガで、(iXAが)アウェイからのスタートとなると今まで使っていたA.K.I.で待つのがちょっと厳しい、というかそれよりは本田を準備した方が勝率を上げられるなと思ったのでで準備したんですが……内容自体は、結構後半はよくできてたんですけど、最後勝ち切れないって感じでした。 2巡目はA.K.I.の方が行けるかなと変えて最後までやったんですけどやれることは全部やったかなと思っています」としており、単なる奇策ではなく、勝率を見据えてのエドモンド本田ピックだったことを冷静に語った。 ひびきはプレイオフの感想として「控え室に戻ってから悔しさがどんどんこみ上げてくる感じです。内容としてはCrazy Racoon戦は自分がどぐらさんのベガが来ると想定できていたので、そこを踏ん張って勝ってアウェイでも僕のキャラのリリーはCrazy Racoonのキャラに刺さっているので、とりあえず僕が頑張ればいい方向に向くかなと思っていたんですが、結果として想定していたベガに負けて、ホームでも自信があったキャミィに負けてしまって普通に落ち込みました。 もう(僕らの)SFLはこれで幕を閉じますが、広島TEAM iXAのチームとして、このメンバーで一緒に戦えてすごい良かったし、とてもいい経験になりました。チャンスがあればまたこの舞台に戻ってきて今年よりもいい結果を残せるように頑張りたい」と想定外の敗北に悔しさを見せていた。 リーダーのあくあからメンバーたちへの声掛けでは、ひかるに対して「エースとして活躍してくれたので、逆に申し訳ないって気持ちがありました。リーグはギリギリでプレイオフに来られたけど、あれだけ勝ってくれたのにギリギリだったので、もうちょい楽にさせてあげたかったなと。プレイオフもヒカルが望んで本田を選んだところもあるんですが、負担はやっぱでかかったなと思っていて、もっとチームメイトでフォローできていたら、違うやり方もあったと思うのでひかるには負担かけて申し訳ないって気持ちとプレイオフに連れてきてくれてありがとうという感謝の気持ちでいっぱいです」とコメント。 同じ所属メンバーのじゃじぃに対しては「じゃじぃくんは確かにあまり勝てていなくて、動きも正直あまりよくなくて……で、このままじゃまずいと思って、1回ちょっと深い話をしたんですよ。もう本当にプロゲーマーとしての生活やポジションまで含めてこのままじゃまずいからどういう取り組みをしようとか、ちゃんと2人で話して1カ月めちゃくちゃ練習してかなり強くなってくれたので、今回プレイオフでもShutoに出そうと思っていたんですが、そのShutoが結果出てこなかったので出せませんでした。マジで試合に出してあげたかった」と言葉をかける。 じゃじぃはそのあくあに対して「チームの勝率を上げるのにゲームの動きだけではなく、みんなのメンタルとか練習のしやすさとか環境にもすごい気をつかってくれてました。僕に対してもプレイオフが決まってから、ちょっとやり方を変えてもいいんじゃないっていう話をしてくれて、そういう僕の生き方の面までちゃんと見てくれて、人一倍感謝しています」と感謝の言葉を示した。 プレイオフにてじゃじぃは試合に出ることはなかったが、今回は完全にShutoの豪鬼対策に専念していたとのことで、もしこの対決が実現したらと考えると気になるエピソードだ。 Crazy Racoonのメンバーたちへの試合終了後のインタビューでは、個人的に気になっていたチーム練習の公開配信について質問した。通称「オワ練」と呼ばれる4人の掛け合い漫才のような配信や切り抜きは、関西の面白い掛け合いが随所にちりばめられていたので、この練習公開配信のメリットについて聞いてみた。 どぐらは「家で1人でいろいろと思い込んで根詰めてずっとネット対戦で練習していると、だんだんと心がしんどくなるんですよね。そういう時にやっぱり軽口叩ける友達同士で喋りながらやるとしんどいはずの練習もそんなに苦にならない。やっぱり人と喋りながらゲームやるってのはストレス緩和になるんだというのを去年あたりからずっと思っていて、それがコンテンツにもなるならやった方がいいじゃんねと、練習にこれだけの価値を持たせられるのはすごくいいなと思っています」とした。 Shutoは「元々チーム練習自体、実は否定派でこれまでやったことはなく、基本個人で家でやることが多かったんですが、今年やってみて思った以上にメリットがありました。やっぱり試合のオーダーの納得性がすごく高かったです。お互いのプレイを見た上でオーダーを決められるので勝率は全体的に上がったと思っています」と、当初はチーム練習に否定的だったことを明かした。 かずのこは「チームの一体感が出るのが1番のメリットですかね。応援してくれているファンの人たちもうちらに感情移入しやすくなって、熱を持って応援してくれるようになるし、チームメイトのプレイを見て、自分よりうまあければ自分も追いつかなくちゃとモチベーションが上がったり、危機感も増すので、勝つという面でもプラス効果があると思うし、Crazy Racoonというチームとファンとの一体感がすごい上がります」とした。 ボンちゃんは「我々の人となりをファンの人たちに見て知ってもらえたことが大きいですね。プロプレイヤーというのは人となりを知ってもらって応援してもらう筋道が重要だと思うので、最後の最後で結果が出なかったこと以外は理想的な活動ができていたと思います。また、普段は個人でプレイするのが格闘ゲームなので、それがチームとして戦っているのを見せられることで一体感が上がってチームとして応援して貰えたと思います」とコメントした。 また、ShutoがMATCH2終了後の配信の中で、LeSharに対して「マリーザ戦やってました?」と聞いたところ、LeSharから「全然」と返されたことについての感想を尋ねると一言「だよね~、でした」とコメント。Shutoはマリーザの練習を本当にばれないようにこっそり練習していたので、それがバレているわけはないことが確認できたとのことだ。また、LeSharとの対戦の中でも、明らかにマリーザのことをあまり知らないんだろうなという感じがプレイから伝わってきたとしている。 見事にプレイオフを全勝で勝利してFリーグのトップとなったYogibo REJECTのメンバーたちへのインタビューにおいて、12月2日に入った調整アップデートについて、大会への影響について、確認すると、ときどは「僕の使ってるキャラ(ケン)についてはもう全然問題ないアップデートでした。あと自分の心構えとして、格闘ゲームってどこまで行ってもそのルールはメーカーさんが決めるものなので、それがいつ入るかも正直全然分からないので、そういったものは込み込みでやるもんだなっていうのは、一応覚悟はできてるつもりなんですよ。今回は僕よりもアキラくんも結構大変だったと思う」と語った。 使用キャラ、キャミィの調整についてあきらは「2年前もSFLに出させていただいた時に、キャラ調整の影響を受けた状態で参戦することがありました。その時は準備期間があったから、自分の気持ちの整理をつけて、やらなきゃいけないことをすぐやろうってできたんですけど、今回は12月2日ということで、そこからプレイオフまで3週間弱しかない中で、もちろん練度的にはキャミィを使わなければ絶対いけない自覚もあったし、チームメイトとも話をして、モチベーションをどう保つかを含めて、格闘ゲームを続けていると絶対こういうことあるよなっていうのを覚悟できるいいきっかけになった出来事だと思っています。その中でどうやってモチベーションであったり、技術を高めるかなど本気で最初の数日考えて、色んな人に相談したりできたので、そういう意味では成長できる出来事だったと思います。おかげで今日も勝てたのでしんどかったですけど、これも人生経験だなっていうところで受け入れてはいます」とポジティブに語った。 エドを使用していたLeSharは「場面によっては結構難しくなりましたけど、僕は結構エドのキャラクターが好きなので、ストリートファイター6が終わるまでなるべくエドを使いたいなと思っていて、今もまだ僕の頑張りがあれば強いキャラクターだと思いますのでで頑張りたいです」と前向きなコメントを見せた。 加えて、筆者は兼業ながらチームに所属する鶏めしの取り組みについて話を聞いた。一応いろいろとチャレンジしてみたい思いはあったものの、やはり兼業ということで練習時間も物理的にこれまでと同様にしか取れないことに加えて、SFL出場が決まってからは練習しかやる時間がない上に、チームメンバーの中では自身が最も練習量が足りていないと自覚しているとしており、限られた時間の中で効率的に練習を続けているとした。 なお、ときどから鶏めしに向けてのコメントでは「なかなか活躍の機会がなくて本人はすごく気にしていると思うんですけど、ダルシムがチーム内にいるというだけで相手チームからすれば相当警戒しなければいけないという役割があって、すごく存在感を放ってくれているので、グランドファイナルに向けて引き続きお願いしたい」とした。 加えて、グランドファイナルで激突するGood 8 Squadには同じダルシム使いのYHC-餅がいる点に触れるとときどは「なんかもう(ダルシムの同キャラ戦を)やらせろやらせろとうるさいんですよ(笑)、この間もダルシム最強は俺だ!みたいなのもあるので、それも視野に入れて楽しみにしていてください」と笑顔でコメントした。 インタビュー後に改めてダルシム同キャラ戦について鶏めしに確認してみたところ「ダルシムミラーには自信ありますよ!でもお互いチームが出してくれないんですよねぇ。もし相手(Good 8 Squad)が出してくれたらその時は僕が出て勝利したいです!」と楽し気に語ってくれた。 ■ 頂点を決めるグランドファイナルは2025年2月11日! 以上、SFL 2024プレイオフの会場での模様を簡単にレポートした。全4試合とも結果だけで見ると全試合とも圧倒的だったように見えるが、実際はどの試合もギリギリの接戦で、見ている側も画面上に「KO」の文字が出るまではどちらが勝つか予想できないほどの際どい試合の連続だった。 一方でここまで最速で試合が決まるプレイオフは過去にもあまり例はなく、特にプレイオフ2日目の80-0の完封試合2連戦という展開は、前例がほぼないレベルで衝撃的だった(2020年のセミファイナルに完封試合があるのを確認したがそれ以外に完封はない)。 Good 8 Squadとときどについては、前作のSFLにおいてFAV gamingに傭兵として参戦していたときどとGood 8 Squadのリーダー、ガチくんとの激闘や、2021年末にウメハラ主催で行なわれた「獣道4」においてカワノがときどに挑んで敗れたことなど、多くの因縁がある。 2023年、リーグ予選の序盤で敗退してしまったGood 8 Squadが今年はいよいよ王者に返り咲くのか、現在絶好調のときどとLeShar率いるYogibo REJECTが初出場初優勝を飾るのか?SFL 2024グランドファイナルは2025年2月11日(祝日)、パシフィコ横浜の展示ホールDにて開催される。「ストリートファイター6」2年目のSFLで勝利するのはどちらのチームか、来年2月が早くも待ち遠しい。 (c)CAPCOM
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