【WCR第1戦エミリア・ロマーニャ】女性の世界選手権参戦の平野ルナ選手、転倒多発のサバイバル・レースで堂々の2レース完走
大きくタイム向上のレース2。それによる弊害も……
レース1がこうした展開となったため、注意喚起のブリーフィングがあったということです。このためか、レース2は赤旗が提示されることはなく、12周のレースが行なわれました。
平野選手はレース2を7列目21番手からスタートします。1周目で19番手に浮上し、16位でゴールしました。 セッションのたびに自己ベストを更新した平野選手は、このレース2で1分52秒467を記録しています。このため、平野選手のタイムにバイクのセッティングが合わなくなる状態となったのです。 「1分52秒前半から後半のタイムで周回を重ねることができたのですが、(レース前に)セッティングを変える時間がなくて、1分55秒台のセッティングのままだったんです。前の集団と1秒くらいの差だったのですけど、後半にどんどん速度が上がって、ブレーキング・ポイントが奥になって止まれなくなって。終盤にはオーバーランを連発してしまいました。前と離されてレースが終わってしまったんです」 「フリープラクティスでトラブルがあって、方向性も見られなかった。R7にまだ慣れていなかったのが、いちばん響いたかな、と思います」
2レースを完走で終えた開幕戦について、平野選手は、こう語ります。 「今まではチームに頼り切って、自分は走るだけでした。でも、ここではレンタカーやホテル、飛行機の手配、(メカニックの)人件費について考えるところまで、全てを自分でやるのはいい経験だな、と思います」 「チーム体制についても、今後、スポンサーさんに向けたPRなど、考えないといけないことが多いですね。次戦、イギリスはひと月後なので、発信を頑張っていこうと思います。体制についても、今回はシーズンでついてくれるメカニックさんがご友人を呼んでくださったけど、ほかのラウンドについても探そうと思っています。今回の経験を生かして、整理して、次のドニントンパークに向けて頑張りたいですね」 単身でWCRに乗り込んだ平野選手の挑戦が、ミサノで幕を開けました。 WCR第2戦は、SBK第5戦イギリスラウンドに併催で、7月12日から14日にかけて、ドニントンパークで行なわれます。
伊藤英里