【WCR第1戦エミリア・ロマーニャ】女性の世界選手権参戦の平野ルナ選手、転倒多発のサバイバル・レースで堂々の2レース完走
転倒者続出のレース1。5周の超スプリントで14位フィニッシュ
ミサノ初走行となった金曜日午前中のフリープラクティスは、平野選手にとって厳しいものとなりました。そもそも、WCRはフリープラクティスがこの1回、25分間のみで、午後はスーパーポール(予選)となります。非常に短い時間でコースを覚え、マシンをセッティングしなければなりません。
しかし、そんな貴重な25分間で、マシントラブルが発生します。走行中、エンジンが高回転に達すると、メインスイッチがオフになる症状が出たのです。フリープラクティス後にヤマハのエンジニアにメインスイッチ付近を交換してもらい、スーパーポールまでに問題は解決しましたが、セッティングを詰められておらず、スーパーポールは練習走行のような形で走るしかありませんでした。 翌日土曜日のレース1を、平野選手は23番手からスタートします。このレース1は、転倒と赤旗が続出し、合計で8名のライダーのクラッシュが発生しました。最初のレースは16コーナーで転倒したライダーの救護活動のため、5周目に赤旗が提示されて中断となります。レース再開は先延ばしとなり、SBKのレース1が終わった頃に、16時にピットレーンオープンとアナウンスされました。その間、タイヤ交換や燃料の追加はなかったということです。 5周で再びスタートしたレースは、1周目に転倒者が出てまたしても赤旗中断。この赤旗中断は10分ほどで解除され、5周で再々スタートとなりました。非常に短いレースでしたが、平野選手は19番手からポジションを上げ、14位でゴール。2ポイントを獲得したのです。 「超スプリントレースだったのがすごくつらかったです。3回目のスタートはストレートで目の前で転ばれちゃったので、前と相当差が開いてしまいました。5周しかなかったので、とにかく前のライダーを抜くしかないと思っていました」 「残り2周で前のライダーに追いついたので、『最終ラップ、得意なコーナーで絶対に抜く!』と決めていたんです。近くにいたライダーは全員抜けたので、よかったです」 初めて走るミサノ・サーキットでしたが、平野選手はすでに13コーナーを得意としており、最終ラップ、そこでパスを決めていました。順調に順応が進んでいることを窺わせます。ただ、赤旗続出のレースとその内容には驚きもにじませていました。 「当てるのが普通なレース、という感じではありました。セーフティ・ゾーンがすごく狭いし、幅寄せもありましたし。抜くのもすごく難しかったです。生き残りゲームになってしまいましたね。だいぶコースには慣れてきましたが、わたしが慣れたということは周りも慣れたということです。楽しいのもありますけど、あまりにも赤旗が続くのは、ちょっとつらいですね」