心身充実、無欠の坂本花織がSP首位…「勝ちに行こうと思った時ほど成績がいい」
フィギュアスケート・全日本選手権第1日(20日・大阪東和薬品ラクタブドーム)――来年3月の世界選手権(米ボストン)の代表選考会を兼ねて開幕し、女子ショートプログラム(SP)は、4連覇を狙う坂本花織(シスメックス)が78・92点で首位に立った。ジュニアのグランプリ(GP)ファイナル3連覇の16歳、島田麻央(木下グループ)が75・58点で2位、千葉百音(木下アカデミー)が74・72点で3位につけた。
強い坂本が戻ってきた。冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)からスピードに乗り、課題だった後半の3回転フリップ―トウループの連続ジャンプも決めた。「一つ一つ集中して、自信を持ってできた」。表情にも言葉にも充実感が漂った。
今月のグランプリ(GP)ファイナル(仏)は疲労もあって体が重く、持ち味のスピードを欠いて3位に終わった。さらに帰国後、胃腸炎で「完全にダウンした。筋力が落ちてゼロから再スタートって感じだった」。
全日本まで1週間ほどしかなく焦りもあったが、休養と体の作り直しの時間と捉え、トレーナーとともに太ももの筋力や体幹を強化した。「鍛えたところが働き出したと感じる。状態はファイナル前より全然いい」と、手応え十分だった。
昨季のファイナルは初優勝という目標に突き進んで達成したが、今季は「勝ち気がちょっと足りなかった。(3位は)やはり悔しかった」と振り返る。
SP後、力強く言い切った。「勝ちに行こうと思った時ほど成績がいいのは、(ファイナルなど)色々な大会を経験してきて気づいた部分。それを思い返せてよかった」。大会4連覇に向け、不安要素は見えない。(岡田浩幸)