ミスチルの推し活仲間3人が起業「そんなしんどいなら辞めちゃえば」のひと言で看護師から経営者へ「事業所名はミスチルの名曲から」
── 管理職をかたくなに拒んでいた理由は…? 中野さん:管理職になるとマネジメントの仕事が増えて利用者さんと関わる機会が圧倒的に減ってしまいます。現場の仕事から離れるのが嫌だったんです。認定看護師の資格を取ったのも、もっといい看護を提供したいという思いからでした。 ── それほど人の上に立つことが嫌だった中野さんが、起業に踏み出せたのはなぜですか? 中野さん:IT経営者だった石森の存在が大きいです。もともと自己肯定感が高いわけではないので、「私なんかが社長で大丈夫かな」と、自分のなかのハードルを越えるのが少し大変でした。ですが、石森が看護や医療について、短期間でかなり勉強してくれて、「3人ならできると思う」と緻密な事業計画書を作ってうながしてくれたので、踏み出すことができました。看護師って「自分が頑張ればいい」という奉仕精神で仕事をしがちですし、ビジネスやお金にも疎い。でも、石森が経営や経理などのバックオフィスをすべて担ってくれるので助かっていますね。彼がいなかったら、「こんな医療サービスを実現したい」という夢物語で終わっていたでしょうから。
── 仲間と起業するとぶつかることもあると思います。そんなときはどうされていますか? 中野さん:毎晩ミーティングをしているのですが、意見がぶつかってケンカになることもありますし、耳の痛いことを言われることも。でも、相手に対する信頼と尊敬があるので、「この2人が言うことなら、素直に聞いてみよう」と思えるんです。たとえ意見がぶつかったときでも、ある程度、納得できるまで話し合いをして、モヤモヤを持ち越さないようにしています。3人の役割が明確に異なるのも、うまくいっている理由のひとつでしょうね。私は現場の看護師兼スタッフの教育係、共同代表の浜脇は、看護師兼スタッフの管理やマネジメント、石森は経営や経理と、それぞれの専門スキルを活かして働いています。