「集中力続かない」「ミスが増えた」...メンタル不調への対処は「睡眠負債」と「マルチタスク」がカギ
メンタル不調は誰にでも起こるもの。早めに気づいてセルフケアを。そして会社の相談窓口、利用できる外部のサービスも増えている
「やらなければならないことがあるのに、集中力が続かない」「つい他のことに気を取られてしまって仕事が進まない」「ぼんやりしていてケアレスミスをしてしまう」というご経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。 【表を見る】10年間で年収が増えた職業、減った職業 体調がよく、集中力が維持でき、仕事がはかどるという方の話を聞くと、コンディションの整え方が上手な場合が多いです。 また、いつも元気で頑張っているわけではなく、調子が悪いときには早めに気づき、回復できるよう、自分で自分のケア(以下、セルフケア)することが上手です。 最近では、個人で努力するだけでなく、メンタル不調は誰にでも起きうるという前提のもと、組織としてメンタルヘルスケアを取り入れている会社も増えています。 今回は、本格的なメンタル不調にならないために、働く方が早めに気づいてセルフケアができるように、そして、組織としては従業員のメンタル不調の予防や早期発見のために何ができるかについて、解説していきます。
自律神経の乱れの徴候?ささいな体調不良に気づこう
自律神経とは「自分でコントロールしなくても動く神経系」ということで、呼吸や循環、体温の調節、消化など身体の機能が必要に応じて動くように調整してくれている神経のことです。 自律神経には、交感神経と副交感神経があり、仕事など「頑張って戦うモード」のときには交感神経が優位になります。一方で副交感神経は、リラックスして身体の回復をするときに優位になります。 状況に応じて、交感神経と副交感神経がうまく切り換わってくれるのが理想的なのですが、仕事のストレスで交感神経優位の状態が続くと、うまく切り換わらなくなってしまい、仕事が終わった後や休日などでもリラックスや回復モードに入れないということが起こりえます。 自律神経がうまく切り換わって働かないと、身体の反応としていろいろなところに支障をきたします。よく見られるものとしては、めまい、動悸、手足の冷え、疲れやすさ、抑うつ気分や睡眠障害などです。