【毎日書評】部下にすぐアドバイスをしがちな人。「アドバイス・モンスター」になっていませんか?
アドバイス・モンスター3つの顔 その1 教えたがり
著者によれば「教えたがり」は、アドバイス・モンスターが演じる、やかましくてわかりやすい人格。このモンスターはこちらに対し、「あなたは答えを示すために会社に雇われているのだ」と説くそう。 「答えを示せなければ、管理者として失格だ。答えを示すことでしか、あなたは付加価値を生み出せない。答えを出すことが、成功者として認められる唯一の道だ」と訴えてくるわけです。(46ページより) 観察メモ ・注目を集めるのが好き。 ・権威、年功、分別、特権、「私が一番よくわかっている」という態度で着飾る。 ・時間がなくて急を要するとき(実際、そのようなときが常である)に姿を表す。 ・集団行動をする。会話の参加者全員が答えを出したがることもよくある。 ・自分が一番よく知っている人間だと、あなたに思い込ませようとする。 (48ページより)
アドバイス・モンスター3つの顔 その2 助けたがり
アドバイス・モンスターがよく演じる2つ目の人格は「助けたがり」。「教えたがり」にくらべるとおとなしい印象がありますが、じつは広範囲に出没して悪影響を及ぼすのだといいます。 このモンスターは、「あなたがこの場をまとめなければ、すべてが失敗する」「あなたの仕事は、すべての人員、すべての状況、すべての結果に全責任を持つことだ」と訴えるそう。迷ったら(迷っていなくても)、「あなたが助けるように」と囁いてくるようです。(46ページより) 観察メモ ・平凡に見えて、「役に立っている」ふりをするのがうまい。 ・特に対立が発生しそうなときに、うろつき回る。 ・今にも燃え尽きそうな殉教者じみた空気を醸し出す。 ・「被害者」の役割にいる人を見つけたときに最も奮い立つ。 ・この組織で自分が一番責任感のある人間だと、あなたに思い込ませようとする。 (50ページより)
アドバイス・モンスター3つの顔 その3 コントロールしたがり
「コントロールしたがり」は、3つのうちでもっとも巧妙に動く人格。影の指揮者として、重みのあるやさしい口調で、「どんなときもその場を仕切ることが唯一の成功への道だ」とささやくわけです。 また、「他人を信じるな」「権力を誰かと分かつな」「指揮権を与えるな」「仕切りが少しでも甘くなれば、組織全体に災難が降りかかる」と吹き込むことも。(46ページより) 観察メモ ・常に存在するが、裏方にいて目立たず、巧みに操る。 ・誇大妄想がある。 ・権力に対して顕著な執着心があり、それを手放せなくなるときもある。 ・人の力を引き出すエンパワーメントに対し、警戒心がある。 ・混乱を防いでいるのは自分だけだと、あなたに思い込ませようとする。 (51ページより)