サラダにチョイ足しで栄養バランスを整える ブロッコリーよりもタンパク質が豊富な野菜とは
健康を求める人は野菜を積極的に食べているでしょう。野菜を多めに摂りながら栄養バランスを保つにはちょっとしたコツがあります。今回も管理栄養士の山田賢児さんに解説していただきました。 【動画】筋肉も健康も食事が資本「筋育栄養学」特別講義 野菜の大切さは、おそらく老若男女が理解していると思います。とはいえ多くの現代人は、実際に十分な野菜を摂れているとは言えないかもしれません。 野菜は、ジャガイモやニンジンなどの根菜類、キャベツやほうれん草などの葉の野菜(葉茎菜類)、枝豆やグリーンピースなどの豆類(果菜類)に大別できます。主要な栄養素はビタミン、ミネラル、食物繊維などで、農林水産省の指標によると野菜の1日の目標摂取量を350g以上とされています。
ビタミンやミネラルはエネルギー源にはなりませんが、体の調子を整えるために大切な栄養素。これらを日常的に摂取することは健康維持や体調管理に不可欠です。ビタミンCは肌の張りを保つためにも重要なので、いつまでも若く魅力的でありたいと思っている人にとっても大切な栄養素と言えます。 また、かつては重視されていなかった食物繊維が近年は体にとって大切なものと考えられるようになり、とくに腸内環境を整える効果が注目されています。「腸脳相関」と言われるように、腸の状態は脳にも影響を与えるとされているので、食物繊維の摂取はメンタルヘルスにも役立つと考えられています。 このように体にとって貴重な食材である野菜ですから、可能なかぎり毎食の摂取を目指したほうがいいと思います。 だからと言って、野菜さえたくさん食べていれば大丈夫というわけではありません。野菜はあくまで「副菜」の分類であり、「主食」「主菜」の要素である炭水化物、タンパク質、脂質が不足してしまってはエネルギー源や肉体の材料となる栄養素が摂取できないからです。また、野菜だけでは鉄分やカルシウムといったミネラルも不足しがちです。 野菜を摂りたいという心掛けは素晴らしいですが、今摂っている食材を野菜に置き換えて、栄養の偏りが生じるのは好ましくありません。とくに、ふだんよく肉を食べていた人が、肉をやめてサラダばかりになってしまうのは、タンパク質が不足するのでオススメできないですね。 それでも食生活を見直したいという強い気持ちがある場合は、サラダの中にチキンやシーチキンを入れるなどすればタンパク質が補えます。また、ドレッシングをかければ脂質も摂ることができます。ジャガイモで炭水化物を摂取するという方法もあるでしょう。このようなチョイ足しを工夫すれば、サラダ全体として栄養バランスが取れていきます。