【速報】106万円の壁は撤廃へ 週20時間以上働けば厚生年金加入へ 年金制度改正議論大詰め きょう年金部会で方向性まとまる
■保険料負担軽減の措置も…
厚生年金に加入すると、年金保険料を、働く本人と企業が半分ずつ納めます。上記のように、主婦の場合は、これまで負担していなかった保険料を負担することになりますし、独身者でも、手取りだけをみれば、保険料を差し引かれることになります。 「手取りが減る」のを避けるための措置として、厚労省は、月収13万円未満の人については、保険料を企業が負担する割合を多くして、本人が負担する割合を少なくできるという特例制度を一時的に設ける案も示しました。 月収13万未満であれば、新規で雇う人もすでに働いている人も「保険料負担軽減」の対象にし、企業負担の割合をどこまで増やすかは、企業ごとに労働組合と話し合うなどして決めるということです。 経営に余裕のある大企業では、この「個人負担軽減措置」を実施する一方で、経営が厳しい中小企業では実施できない、といった格差が大きくなりすぎないよう、何らかの支援策も検討するとしていますが、具体的なことは今後決めるということです。
■遺族厚生年金 男女区別なく5年間支給へ
一方、会社員などが亡くなった際に配偶者に支給される「遺族厚生年金」についても改正案が打ち出されました。 これを受け取る要件に男女差があったこれまでの制度を見直し、60歳未満で子どもがいない人については、性別や収入にかかわらず5年間給付する案を厚労省が年金部会に示しました。 5年間と受給期間が限定される一方、受け取る年金額は今の制度より増額され、配慮が必要な人には5年目以降も給付されるということです。
■厚生年金の積立金活用で基礎年金底上げの案も
10日の年金部会では、ほかの議題も話し合われる予定で、今の40代より若い人などが将来受け取る基礎年金の額を増やすため、会社員らがかつて納めた厚生年金保険料の「積立金」の一部を、基礎年金の支給に充てる案も議論されます。 基礎年金については、その額の半分を税金でまかなうことが法律で定められていて、将来的に基礎年金の額が増えるのは朗報ですが、巨額の税金がさらに必要になることから、これをどう確保するのかが大きな課題です。 厚労省は、年内にも年金部会でこうした制度改正の方向性をまとめ、来年の通常国会に年金法の改正案を提出することを目指しています。