故郷を思い奮闘中 熊本県大阪事務所職員の横顔に迫る
故郷への思い胸に奮闘中
故郷・熊本を思いながら日々奮闘する熊本県大阪事務所の職員 THEPAGE大阪 主題歌:打越元久 レポーター:岡本ゆか 編集:柳曽文隆
熊本地震の「本震」からきょう16日で2か月。同県内では震度1以上の地震が1700回を超え、現在も6000人を超える人が避難生活を送るなど終息が見えない状況だ。そんな中、大阪市北区の「熊本県大阪事務所」では、4月14日の最初の地震発生以降、勤務する職員が様々な対応に追われる日々を送っている。きょうは、そんな大阪事務所を訪ね、常に故郷を思いながら奮闘する職員の横顔に迫る。
関西の皆様の支援は本当に温かいです
大阪市北区にある大阪駅前第3ビルの21階へ行くと「熊本県大阪事務所」のオレンジの看板が目に入る。同階フロアには、ほかにも大分県や沖縄県の大阪事務所などもあり、いずれも各県庁の職員が大阪へ転勤し、故郷のPR活動などを行っているという。 熊本県事務所で出迎えてくれたのは、同事務所所長の吉永明彦さん。今年4月にこの事務所へ転勤してきたばかりだという。そして、4月14日に最初の震度7を観測する地震が発生。家族のことが心配もだったが無事を確認し、情報収集など業務を指示し対応に追われた。 「私は単身赴任してきましたが、本震で妻と子供、近所に住む母が避難所生活を送っていると連絡がありました」と吉永さん。そして、ほかの職員の多くも同じように家族が避難所生活や車中泊を送っているという連絡を受けながらも、情報収集、そして義援金受付調整などの業務に追われた。 「関西の皆様の支援は本当に温かいです」と語るのは、こちらも4月に赴任したばかりの職員、嶋田葉月さん。関西だけでも熊本県の県人会は70団体ほどあり、連日のように「なにか支援はできないだろうか」「義援金はどのようにしたら」といった窓口業務を、職員一丸となって対応してきた。土日などは通常休みだったが、故郷を思い訪れてくれる人も多く、交代で休日勤務も行っているという。
くまモンと泣いて抱擁する方も多く感動
職員らは日々、慣れない土地での業務ながら奮闘の日々を送る。「関西の方は本当に温かいですね。あの時は本当にうれしかったです」と語るのは、こちらも4月に来たばかりの一溝達也さん。くまモンのスケジュール調整なども担当しており、地震から約1か月が経過した5月13日、大阪市中央区のコンビニ内にある熊本県のアンテナショップ「熊本よかもんSHOP」で、くまモン登場のイベントを担当した。 「多くの方で行列ができ、くまモンと泣いて抱擁する方も多く感動しました。関西の方は本当に温かかったです」と一溝さんは振り返る。そして、同ショップでは熊本県の特産品も売られており「それを買って応援してくだる方が多く、本当にありがたいです」と、同事務所内で勤務する、熊本県物産振興協会の平田由紀子さんもうなづく。 同ショップでは、震災前はくまモングッズの売り上げが多かったが、震災後は、食品なども売れているという。「熊本は調味料なども多く製造してますが、グッズなども含め被災したメーカーがとても多いです。ここでは、それらを販売することで、その売り上げでメーカーに還元できれば」と話し、調整に追われる日々だ。