通勤ラッシュ時に列車遅延を引き起こす《JTCおじさん》同士のしょうもないトラブル…「俺をヒジで押しただろ!」「証拠は?」朝の満員電車で大喧嘩
通勤ラッシュの時間帯、満員電車にも関わらず、そこへさらに遅延が発生するとひどく憂鬱になる。実は、この遅延を引き起こしているのは、乗客同士の「しょうもないトラブル」なのだという。現役鉄道マンである著者が実情を語った。 【写真】胸をあらわにして電車を降りようとする母親も…大正時代の路面電車
JTCおじさん同士の喧嘩が発生
日本の鉄道の定時運行は世界一だ。乗客はこの正確性を信頼した上で日々の予定を組んでおり、鉄道マンも運行に遅れが生じないよう心血を注いでいる。 そんな鉄道マンを悩ませるのが、車内における乗客同士のトラブルだ。特に朝ラッシュの時間帯は、この手のトラブルによる遅延が非常に多い。しかも、膨大な数の乗客に迷惑をかける割には理由がしょうもなかったりする。 例えば、こんなトラブルはしょっちゅうだ。 「車内で男の人同士がケンカしているので3号車に来てください……!」 車内非常ボタンを押下した女性からの通報だった。不幸中の幸いというべきか、次の駅はもうすぐそこだ。駅に停車後、「頼むからすぐに終わってくれよ」と祈りながら乗務員である私が現場に急行した。 3号車に到着すると、50代と思しきサラリーマン2人が言い争いをしていた。いずれのスーツにも社章が光っている。有名企業のシンボルマークだったので両者がどこの社員なのかすぐにわかった。 「さっき俺のことヒジで強く押しただろ!混んでて奥に行けねえのがわかんねえのか?」 「朝の満員電車なんて押されて当たり前でしょう(笑)。何を大声でわめいてるんですか」 「押されたことを言ってんじゃねえんだよ。あんたがヒジで押したのが問題だって言ってんだ!」 「証拠は?私がヒジで押すところカメラで撮りました?」
電車を降りない迷惑サラリーマン
ヒジで押されたサラリーマンの怒りはよく理解できる。実際、混雑した車内を無理に進もうとする自分勝手な乗客は存在する。ただ、朝の通勤ラッシュでのケンカだけは勘弁してほしい。 乗務員である私と異常を察知した駅係員複数人で、2人の仲裁を試みる。 「とりあえず2人とも電車から降りてください!落ち着いて話しましょう」 ただ、どちらも頑として降りようとしない。 「それに応じる義務はないですよね?私は会社があるので」 「被害者は俺だぞ?コイツだけ降ろせよ!」 埒が明かない状況に他の乗客もひどく苛立っている。「お前ら早く降りろ、バカヤロー」などと2人に対して暴言を吐く乗客も現れ始めた。 この日は朝から他の駅でお客様の救護活動をしており、すでに10分ほどダイヤが遅れている。朝ラッシュの時間帯は電車の運行本数が多いため、一度でも遅れてしまうとラッシュが終わるまで正常な運行に戻らない。今日はこれ以上、列車遅延を拡大させるわけにはいかない。 「お客様!他のお客様のご迷惑となりますので降りていただけますか」 さすがに私も言葉が強くなる。すると感情的になっていたサラリーマンのほうが「じゃあコイツも降ろせよ。俺に謝るまで許さない」と言いながら、ついに電車を降りた。 他の乗客に暴言を吐かないように伝えつつ、もうひとりのサラリーマンにも降車を促した。 「こちらの方もあなたが降りないと納得しないでしょうし、このままだと電車の運転再開ができません。お勤め先の会社にも迷惑がかかるかもしれませんよ」 もしかしたら「会社に迷惑がかかる」というワードが効いたのかもしれない。半笑いの挑発的な態度は示しつつも、こちらもやっとのことで降車してくれた。
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