「死後離婚」なぜ増える?外国人が驚く妻が義実家と縁切りする理由とは
口うるさい義両親との関係をリセット
最近、SNSなどで「死後離婚」という言葉を目にします。「死後離婚」とは、配偶者の死亡後に市区町村に「姻族関係終了届」を出して、義理の両親や兄弟など、亡くなった配偶者の血族との姻族関係を終わらせることを指します。届けを出すのはほとんどが女性だそうで、近年は増加傾向にあります。今回は、その背景について考えながら、外国と日本の「家族観の違い」にスポットを当てます。 【写真】大谷翔平選手の妻・真美子さんのドレス、ドジャース奥様会で腕見せする日が来る? 先日、女性向けセミナーの2次会で、ある日本人女性が死後離婚したことを話してくれました。40代のA子さんは、数年前に同い年の夫を亡くしました。その後、「姻族関係終了」の手続きをしたといいます。 「夫はいい人だったんだけど、義両親は昔から何かと口出しをしてくるので、苦手だった」とA子さん。それでも我慢していたのは、夫への愛情に加え、いつかやってくる相続のためだったと打ち明けます。 でも、人間は必ずしも年齢の順に死ぬわけではありません。A子さんの夫は、若くしてこの世を去ってしまいました。A子さんはこう続けます。 「つらいのは妻の私も同じなのに、義両親が訴えてくるのは自分たちのことばかり。夫が生きていた時よりも口出しがひどくなって、なんだか全てが嫌になってしまって。嫌らしい話だけど、夫が亡くなってしまった以上、私が義理の両親から財産の相続を受けることはない。それで、自分の中で区切りをつけるために(姻族関係終了の)届け出をしたというわけなの」 人生には時に予期せぬことが起きます。A子さんだって、こんなにも早く夫に先立たれるとは想像していなかったでしょうし、夫の死後も義理の両親に悩まされるなんて、結婚当時は思ってもみなかったはず。夫が存命のうちは義両親から逃げられなかったけれど、亡くなってようやく逃げ切ることができた……とA子さんは語りました。このケースのように、「死後離婚」にはどこか「区切りをつけたい」「リセットしたい」との意味があるように思います。