名伯楽・内田順三も一目置く努力の天才は、30歳で史上最高齢ドラフト指名を目指す
NPB12球団入りの夢は叶っていない。しかし、大学卒業後は社会人、独立リーグ、メキシコのプロリーグ、そしてファームリーグ限定のNPB球団と、あらゆるカテゴリーを経験してきた。平間のプロ野球人生は、ある意味ではNPB12球団の選手以上に濃密かもしれない。 「僕自身は、周りが感じているほど、現役に執着はないのかなと思っています。野球が好きだから続けているだけで、現役選手としてはもう成長は望めない、無理だと思えば即辞めます。今は限界まで挑戦できると思えるから続けています。任せられた仕事をして0点に抑えること。チームにとってありがたいと思われるような選手を目指して野球に取り組んでいます」 最後に「平間凜太郎にとって野球とは」と質問した。 「野球は『どんな人でも楽しめる素晴らしい遊び』だと思っています。もちろん、一生懸命にやっているんですけど、その中で楽しさがなければ上手くならないですし、楽しみ方は人それぞれある。プロ野球選手を目指すことだけが野球の魅力、楽しみ方ではないことは伝えていけたらと思います。 将来的には、一生かけて野球に恩返しをしたい気持ちが強いですね。指導者なのか、データを使ったアナリストなのか、それとも別の形なのかはわかりませんが、指導者ならば、高知で出会った吉田(豊彦)監督や、くふうハヤテの赤堀監督、そして内田順三さんのような、上手くなりたいという選手の気持ちを第一に尊重できる指導者になれたらと思っています」 取材翌日の全体練習は午前10時開始予定。平間は1時間前には球場入りし、練習に取り組むための準備を整えるそうだ。 (つづく) ●平間凜太郎(ひらま・りんたろう) 1994年生まれ、東京都出身。山梨学院大附高から専大に進学し、日本製鉄東海REX、高知ファイティングドッグス、メキシコリーグでもプレーした。高知では2020年、21年に最多セーブ、22年には最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得し、年間MVPにも輝いた。23年オフに参加したメキシコ教育リーグでは6試合に登板し、2勝1敗、防御率1.69という好成績を残した 取材・文・撮影/会津泰成