名伯楽・内田順三も一目置く努力の天才は、30歳で史上最高齢ドラフト指名を目指す
苦闘が続く新球団で、開幕投手を務めるなど先発として10試合で3勝4敗、防御率3.45という成績を残していた早川の活躍は誰もが認める所だった。しかし平間もまた、中継ぎとして23試合に登板し、防御率1.59(6月24日時点)という成績を残し、苦しい投手事情の中、チームに大きく貢献していた。 「めちゃくちゃ悔しかった。なぜ、自分じゃないんだ⁉︎と。(フレッシュオールスター出場は)くふうハヤテに入団したとき、ひとつの目標として頑張ってきただけにショックは大きかったですね。赤堀(元之)監督にも『なぜ自分は選ばれなかったのか』と聞いてしまいました。 ひとつ目標が消えて、正直挫けそうにもなりました。でも心の整理ができずにいた自分の話を、赤堀監督は親身になって聞いてくださいました。今は、こういう結果だったからこそ、良い意味で危機感を持てるようになりました」 * * * 今年5月31日、平間は30歳になった。 過去、NPBのドラフト会議で指名された最高齢は1982年、中日に3位指名された市村則紀の30歳4ヵ月9日だ。事前に調べた情報を伝えると、平間はそれを知っていた。そして、「もし今年、自分がドラフト指名されたら30歳4ヵ月24日なんですよ。市村さんの記録を半月だけ更新します」と、笑顔で答えた。 市村は中日に入団した1年目は中継ぎとして1軍で44試合に登板するなど活躍。その後も通算6年間で163試合に出場した。 「自分は若いドラフト候補選手とは違い、『成長を見込んで』というよりも、『即戦力として活躍できるかどうか』で判断されると思います。評価を受けるためには、豪速球を投げることよりも、NPBの2軍打者相手にゼロで抑えることが一番わかりやすい。 10月のドラフト会議にかからないと確定したわけではありません。それに、ドラフト指名されなかったとしても、海外リーグに挑戦できる状態でいるためにも、結果を残し続けるしかないと思っています」 平間は希望通り8月に入って先発に転向。8月は3試合に登板し、いずれも6イニングずつ投げて自責点は1、1、2と結果を残し、長いイニングでも通用することを証明した。