入学金納入日に間に合わず、父親が大学で嘆願 「胸が張りさけそう」 大学の入試・広報担当者の本音座談会【後編】
大学受験で頑張るのは子ども自身。保護者にできるのは、わが子が安心して入試に挑戦できるような環境をつくってあげることです。お金に関することもその一つですが、大学入試の現場では毎年、手に汗握るようなハプニングが起こっているようです。大学の入試・広報担当者3人に、赤裸々に語ってもらいました。(写真=Getty Images) 【写真】女子大の「就職力」なぜ高い? ランク上位入りした学校の特徴
期日が過ぎたら、どうにもできない
――大学受験の際、お金に関することは保護者の大切な役目です。 A大学担当者(以下A大学):出願時や合格後の入学手続きに関して、毎年さまざまな事件が起こります。特にお金に関することで一番多いのが入学手続きで、入学金などの振り込みが間に合わないというものです。 B大学(以下B大学):毎年ありますね。大学受験シーズンは年度末でもあり、保護者の方は仕事が忙しくて振り込むのを忘れてしまったり、期日を間違えたりして、入金できなかったというケースは少なくありません。 C大学担当者(以下C大学):年内入試よりも一般選抜で多い印象です。残念ですが、期日厳守。期日を過ぎてしまったら、お断りせざるを得ません。 B大学:子どもが頑張って合格したのに、入学できないというのは本当に悲惨です。なかには、他の大学の合否を待っている間に締め切りを忘れてしまうんでしょうね。入金の日が過ぎた後に、大学に直接お金を持ってきて嘆願されたお父様もいました。本当に申し訳ないけれど、一切お断りしています。どうすることもできません。お気持ちを考えるだけで、いつも胸が張り裂けそうになります。 A大学:合格後のお金のミスは本当につらいですね。うちの大学では、入学金などは金融機関の窓口からの振り込みに限っていますが、時間ぎりぎりになって大学に「間に合わない」という電話をいただくことも数件あります。期日内に支払いが完了しないと入学できないので、「今すぐATMからこの番号に振り込んでください」と、ご案内することもあります。 B大学:A大学さんでは、期限までに入金できればいいというルールなんですね。うちの場合は、期限までに「着金」がルールです。大学の口座にお金が届いていないといけないのですが、地方の信用金庫など送金に時間がかかるところもあるので、そこは気をつけてもらいたいです。