ハロウィンっていつ頃から普及? その経済効果は?
クリスマスやバレンタインデーなど海外から“輸入”されたイベントの1つとして、近年、存在感を増してきているのがハロウィンではないでしょうか?ハロウィンとは、ケルト人(西ヨーロッパの民族)の文化で、ケルト人にとって10月末が1年の終わりとされ、その日に死者の霊が家族を訪ねてくる、その収穫祭の意味合いがあると言われています。日本の風習でいえば「お盆」と「秋祭り」と「大みそか」が一緒にやってくるイメージが近いのではないでしょうか。テレビ番組などでは、子どもたちが仮装して「Trick or Treat」と近所を回り、お菓子をもらうイベントなどとして、紹介されていましたが、日本ではなかなか文化としては定着しませんでした。
1997年にTDLが「ディズニー・ハロウィーン」開催
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの妹尾康志氏によると、日本にハロウィンの文化は定着し始めたのは、2000年代後半以降と言います。「東京ディズニーランドが1997年から『ディズニー・ハロウィーン』を開催した頃から、少しずつ認知度が上がってきました。その後、少しずつ秋の文化として普及していきました。それでも、ハロウィンに合わせて何かアクションを起こす人、つまり何かを買ったり、イベントに参加したりする人は、当時はほとんどいませんでした」と妹尾氏。
2000年代後半に食品産業が商戦に参入
その後、各地で仮装パレードなどのイベントが開催されるなど、少しずつ認知度が高まり、2000年代後半に食品各社がハロウィン商戦へ参入。2006年には江崎グリコが、2007年にはロッテは2008年には森永製菓がハロウィンのパッケージのお菓子を販売しました。このように少しずつ、商戦などが拡大していき、現在では、その認知度はほぼ100%に近い状態で、経済効果も少しずつ大きくなってはきています。とはいえ、規模としては、クリスマス、ホワイトデー、バレンタインデーなどには遠く及ばない状態です。
アメリカでの経済効果は約70億ドル
アメリカでは、全米小売協会(National Retail Federation)が調査を行っていますが、2013年の推定消費額は一人当たり約75ドルで、アメリカ全体で約70億ドルにのぼると予想しています。その内訳は約37.1%がコスチューム費用、29.8%がお菓子、装飾費用が28%、残りの5.1%がグリーティングカードとなっており、消費単価の高いコスチュームが多くを占めていることから、大きな経済効果を生み出している、と考えられます。また、文化として定着しているため、多くの人がアクションを起こすため、実際に消費する額も多くなっています。