伏兵の強襲と逃げ馬に生涯最後の敗戦 史上最強短距離馬が勝てなかったセントウルS
幾多の名馬が勝利しているセントウルステークス(3歳上・GII・芝1200m)だが、史上最強スプリンターの呼び声が高いロードカナロアが勝てなかったレースでもある。そこでともに1番人気で挑みながら敗れたレースを振り返る。 【写真】史上最強短距離馬の軌跡 初めての参戦は4歳時の12年だった。春の高松宮記念がスプリント戦での初黒星となる3着、続く函館スプリントSでもドリームバレンチノの2着に敗れて迎えた一戦。ロードカナロアは単勝2.2倍の1番人気に推された。 レースは好スタートから3番手を追走。最後の坂で先頭に立ち、そのまま押し切るかに思えた瞬間、武豊騎手が駆る6番人気の伏兵エピセアロームが強襲。ゴールでは僅かにアタマ差、先着を許してしまった。3歳牝馬の勝ち馬とは4kgの斤量差があったので、決して力負けではなかったものの、これで3連敗に。その悔しさは次走のスプリンターズSでGI初制覇を果たし、晴らすこととなる。 そして翌13年は前年秋のスプリンターズSからGI・4つを含む5連勝での参戦だった。単勝は1.4倍の圧倒的1番人気。9番枠からスタートを決めると、手応え良く好位を追走。直線に向くと前を追ったが、逃げるハクサンムーンがしぶとい。ジワリジワリと追い詰めたが、クビ差まで迫ったところがゴール。春の高松宮記念で3着に下していた快足逃げ馬に不覚を取ることとなった。とはいえ、これが生涯最後の敗戦だったことも事実。この後はスプリンターズS、そしてラストランの香港スプリントとGIを連勝。翌年からは種牡馬となり、トップサイアーへの道を駆け上がっていくこととなる。