いまさら聞けない「定額減税」 3兆円規模、今年度限り……“手取りUP”で効果は 専門家「期待持てぬ」【#みんなのギモン】
■財務相「複数年度の実施は考えず」
小野解説委員 「続いては効果について考えます。政府は定額減税の狙いをこう考えています。今年の春闘の賃上げは、33年ぶりの高い水準でした。それに定額減税を加えることで、物価高を上回るような所得の実現につなげたいとしています」 「ただ、政府はこの定額減税は今年度の1回限りだと説明しています。財務省の鈴木大臣は28日の会見で『複数年度にわたって実施することは考えていない』と話しています」 森アナウンサー 「減税自体はとてもありがたいんですけど、そもそも物価高がいつまで続くのか。賃上げが果たしてそれに追いついていくのか。それが全く不透明な中で『複数年度にわたって実施することは考えていない』と言い切られちゃうのが、ちょっとな…というところです」
■エコノミストは定額減税どう見る?
小野解説委員 「みずほ証券チーフエコノミストの小林俊介さんに、今回の定額減税について尋ねました。その見方は手厳しいものでした」 小林さん 「減税をうたってはいるが、実態は一時給付金と同じではないか。一時金を給付されてもあまり消費につながらなかったのと同じことで、この先持続的に所得が増える期待は持てないのではないでしょうか」 「政府が定額減税だけでも3兆円規模の財源を使って行う政策でありながら、経済効果は限定的だと考えます」 小野解説委員 「では、家計を助けるためにはどうすればいいかについても聞きました」 小林さん 「まずは賃上げを、政府がもっと旗を振って推し進めること。そして、目先のことだけなくもっと大事なのは、物価高の原因をいま一度考えることです。円安や、輸入に頼り過ぎていること、日本製品の輸出が減ってしまっていること」 「こうしたことを変えていかなくてはいけない。そのために日本の技術力などを上げることです。消費者1人1人から見たら遠く感じるかもしれませんが、とても大事なことです」 小野解説委員 「今回の定額減税には、3兆円を超える予算が使われます。効果を検証することが欠かせません」 (2024年5月29日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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