バイクで走るには最悪の雨! それでもスポーティな走りが楽しめるからやめられないDUKEの意欲作とは!?
ギクシャクせず扱いやすいエンジン
エンジンは低回転域からスムーズにトルクを発揮し、扱いやすさもあるではありませんか。ハイコンプのビッグツインだからといって、ギクシャクするような神経質さはありません。
並列2気筒エンジンは他社で主流となりつつある270度位相クランクではなく、KTMらしい75度Vツインと同じ爆発間隔となる285度クランクを採用。大きなクランクマスでトルクを潤沢に発揮しつつ、レスポンスは過敏にならずトラクションに優れています。 また、純正採用されるブリヂストンBATTLAX HYPERSPORT S22のウェット性能も目を見張るものがあります。 レインでも鋭い加速フィールが味わえ、走りは少しずつアグレッシブになっていきます。ペースを上げても車体の挙動は乱れず、落ち着いたまま。それではどうだと、アクセルをもっと大きく開けつつ、ブレーキレバーも強く握り込んでいきます。
しなやかな足まわりが◎
車体をより深く寝かし込んでも不安はありません。もっとアグレッシブに走りたいと、とうとう「ストリート」さらに「スポーツ」へとライドモードをチェンジしていきます。
フルウェットなのにキビキビ走れるのは、よく動く足まわりのおかげで、WP製APEXの前後サスペンションがしやなかに動くことも報告しなければなりません。 インナーチューブ径43mmのオープンカートリッジ式倒立フォークは140mmのストローク量を持ち、左右独立式のダンパーを採用。左に圧側、右に伸び側のアジャスターを備え、工具を使わずに5段階に調整できます。 ブレーキは300mmのダブルディスクに、4ピストンラジアルマウントキャリパーの組み合わせで、タッチとコントロール性に優れることから雨天でもストッピングパワーをしっかりと発揮することができました。 スイングアームに直付けとしたモノショックもリバウンド(伸び側)を5段階に調整可能とし、プリロードアジャスターも装備。『1390スーパーデューク』ではリンクを介しますが、『990デューク』ではリンクレスにし、軽量なリニアスプリングを採用。ダイレクトな操作フィールとしています。 リアのサスペンションストロークは150mmで、グラビティ鋳造による新型スイングアームが用いられています。横方向への剛性を35%落とし、柔軟性を持たせているのが大きなポイントです。1.5kgの軽量化も実現しています。