パリ五輪を沸かせた選手たちの「エースとしての顔」を見逃すな=バドミントンS/Jリーグ
――S/Jリーグは、団体戦です。個人競技であるバドミントンは、個人戦の大会が多いですが、団体戦の面白味は、どんなところですか
普段は個人戦が多く、選手は、チームの役に立てているかどうか、分かりにくい部分があります。でも、普段の環境は、会社やチームのサポートがあって成り立っています。団体戦は、明確に貢献できる場となるので、選手は「チームの役に立ちたい!」という思いがすごく強くなります。個人戦とはまったく違う緊張感が漂い、普段とは異なるプレーや表情が見られる舞台になります。加えて、団体戦としての流れが作る独特の雰囲気が、試合を左右します。例えば、第1ダブルスを落とした後の第1シングルス。自分の試合としてはリードしているのに、チームとしては負けていることで、余裕を持てないということが起こります。心理面に影響が出るので、プレーも変わり、勝敗にも影響が出ます。若くて有望なエースが力を発揮できなかったり、逆に間違いのない実力を持ったエースが負けてしまったり。緊迫感があり、個人戦では起こりにくい番狂わせが起きやすいのが、リーグ戦の特徴です。特に、チームのエースは、勝たなければいけない責任感が強くなるので、各チームのエース格である日本代表選手たちが、強いプレッシャーの中でどんな振る舞いやプレーを見せるのかは、見どころになります。
――逆に言えば、団体戦特有の緊張感をどう乗り越えるかが、勝敗の鍵ですね
そうです。だから、プレー以外のところで何をするのかも重要です。普段の個人戦なら自分の準備だけをすれば良いですが、ベンチでどんな表情や行動で過ごすのか、これから試合に臨む選手にどんな声をかけるのか。私が選手のときは、ベンチにいるとき、誰にどういう声をかけるかを仲間と話しながら声援を送っていました。日本代表や各チームのエースがどんな振る舞いをしているのか。そういう一面が見られるのもリーグ戦の面白いところではないかと思います。プレッシャーがプレーを左右するのと同じように、応援が選手の表情やプレーを変えていく場面もあります。
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