「女性主人公」の警察ドラマがいま増えるのはなぜ 演技力に定評 松岡茉優『ギークス』と小芝風花『GO HOME』
7月開始の夏ドラマで目を引くのが、女性を主人公にした警察ドラマだ。女性が主人公の刑事ドラマももうそれほど珍しくないが、今回の2作品はそれともまたちょっと違う。 【画像を見る】「ノー残業」をモットーとする警察署勤務・3人の「女ギーク」を演じるのはだれ? しかも主役を演じるのが、刑事役や警察官役を演じたことがないわけではないが、比較的そのイメージが薄い松岡茉優や小芝風花というのも新鮮だ。いま、警察ドラマになにが起ころうとしているのか? これまでの作品と比べながら、少し考えてみたい。 ■松岡茉優『ギークス』と小芝風花『GO HOME』
まずはその2作品を紹介しよう(以下、番組内容については公式サイトなどを参照した)。 ひとつは、松岡茉優主演の『ギークス~警察署の変人たち~』(フジテレビ系)。耳慣れない感じもあるが、英語で「ギーク(geek)」とは、特定の分野に詳しいマニア、つまり「賢いオタク」のことだ。 松岡茉優が演じる西条唯は鑑識官。物事の細部まで瞬時に把握する記憶力と高い証拠分析能力を備えている。 田中みな実が演じる吉良ます美は産業医で、プロファイリングなど心理分析に長けている。そして滝沢カレンが演じる基山伊織は交通課勤務。地域の情報がすべて頭に入っているほど地理に詳しい。
この警察署勤務の女性ギーク3人が、それぞれの得意分野の知識で本職の刑事も手を焼く難事件を解決する。だが3人は手柄にはあまり関心はなく、人付き合いや恋愛が不得手でそのことにいつも頭を悩ませている。 もうひとつは、小芝風花主演の『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』(日本テレビ系)。サブタイトルの部署は、実際にある部署をモデルにしているそうだ。 小芝風花が演じる三田桜は、身元不明のご遺体の身元を特定し、家族のもとへ帰すことを仕事にする「身元不明人相談室」所属の警察官。身元特定は大切とは言え地味な仕事だが、わざわざこの部署に配属されることを希望した“変わり者”である。