鶴田真由さんが「仕事とプライベートの境界線をあまり意識しない」納得の理由とは?
昔からあまり人に同調しないタイプです
――今回のドラマには、同じ町に住む住人たちの間に渦巻く「同調圧力」が引き起こす恐怖が描かれています。鶴田さん自身は、周りに流されたり、同調圧力を感じて自分の思いと違う行動をしたりすることはありますか? 「基本的に昔から同調するタイプではないと思います。俳優という職業がちょっと特殊だということもありますが、周囲に流されることもほとんどないですし、わりと常にマイペースですね」 ――ドラマのような、同調圧力にまみれた人間関係についてはどう思いますか? 「理解はできますよ。人間とはそういうものなんだろうなと思いますし、そこに人間の恐ろしさも感じます。自分がその環境にいたら、圧力に屈してしまう可能性もあるでしょうし、誰しもにありうる話ですよね」 ――例えば疑問を感じるようなルールがあって、それに従わなくてはいけないような雰囲気だったとき、鶴田さんならどうしますか? 「もし疑問を抱くような雰囲気を感じたら、どうにかしてあまり関わらないようにする努力をするような気がします」
「やっておけばよかった」と思うことは?
――鶴田さん演じる喜久子は、過去の「しなかったこと」に後悔をしています。鶴田さん自身は「あれをやっておけばよかったな」と思うことは何かありますか? 「若いうちに海外に住んでみたかった、20代のうちにもっと旅をしたかったなというのはありますね。バックパッカーとしてさまざまな国を巡るような、そんな旅を。ただ、当時は仕事がかなり忙しかったので、なかなか難しかったなとは思います。 あとは、学生時代に留学もしてみたかったです。でも今それを言うと、当時私に留学を勧めていた母から「だからあのとき行きなさいって言ったのに」と言われます(笑)」 ――仕事とプライベートのスイッチはどうされていますか? 「幸いなことに、好きなものが仕事になっているみたいなところがあるので、あまり分けるという意識がないかもしれないですね。ものすごく役に入り込まないといけない仕事の場合は、終わった後にちょっと何も考えない時間が欲しいな、と思ったりはしますけど、それ以外のときは感じていること、考えていることすべてが表現につながっていくと思っているので」 【後編】では鶴田さんの知られざるライフスタイルについて、さらにお話を伺いました。▶▶鶴田真由さんが語る「ふと体の変化を感じた」瞬間、「最近よりいっそう欲しいと感じるようになった」時間とは?【インタビュー】 【PROFILE】 鶴田真由さん/女優 1988年女優デビュー。その後、ドラマ、映画、舞台、CMと幅広く活動。凛とした力強さとしなやかさを併せ持つ演技で注目される。1996年には「きけ、わだつみの声」で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。近年は、「らんまん」「自転しながら公転する」、映画「ノイズ」「やがて海へと届く」など話題作に出演。また、自然体で飾らない姿と独自の視点からのコメントが支持を得て、旅番組、ドキュメンタリー番組への出演も多く、番組出演がきっかけで、2008年には第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)の親善大使の委任を受けた。2021年2月より、メディアプラットフォーム「note」にてエッセイを執筆。12月8日よりスタートの江口洋介さん、蒔田彩珠さん出演の「連続ドラマW 誰かがこの町で」(WOWOW)にも出演中。 【INFORMATION】 「連続ドラマW 誰かがこの町で」 WOWOWにて、12月8日(日)午後10時よりスタート(全4話) 放送:毎週日曜午後10時~ ※第1話無料放送 【WOWOWプライム】【WOWOW4K】 配信:第1話放送・配信後、全話一挙配信 【WOWOWオンデマンド】 出演:江口洋介 蒔田彩珠 鶴田真由 宮川一朗太 尾美としのり 玄理 戸次重幸 本田博太郎 でんでん 大塚寧々 原作:佐野広実『誰かがこの町で』(講談社文庫) 撮影/三角茉由 スタイリスト/平井律子 ヘアメイク/伏屋陽子(ESPER) 取材・文/皆川知子
オトナサローネ編集部 露木