【時系列でわかる⑪】“ガザ地区での攻撃縮小”を協議 米側、イスラエル首相らと会談(4日~15日まで)
■12月6日 グテーレス国連事務総長 ガザ地区の人道的停戦宣言、安保理に正式要請
イスラエルとイスラム組織「ハマス」の衝突が続くパレスチナ自治区ガザ地区の人道状況をめぐり、国連のグテーレス事務総長は6日、安全保障理事会に対して人道的停戦を宣言するよう正式に要請しました。 国連憲章では、国際平和と安全の維持を脅かす事案について、事務総長が安保理に注意喚起できると定められています。 ガザ地区の人道状況が深刻化していることを受け、グテーレス事務総長は6日、就任以来、初めてこの規定を活用し、安保理に対し決議で「人道的大惨事」の回避と人道的停戦を宣言するよう要請しました。 事務総長は安保理の議長宛ての書簡で「ガザに安全な場所はない」と訴えた上で、「近いうちに社会秩序が完全に崩壊し、限られた人道支援さえも不可能になる」と警告しました。 一連の衝突をめぐり、安保理は先月、戦闘の「一時休止」を求める決議を採択しましたが、停戦を求める決議案はアメリカの反対などにより否決されています。 安保理決議には法的拘束力があるため、違反すると制裁が科される可能性があります。
■12月7日 拠点数十か所攻撃…多数のハマス戦闘員が投降 ガザ地区の民間人死者1万7000人以上に
イスラエル軍は、ガザ地区でイスラム組織ハマスの拠点数十か所を攻撃し、多数のハマス戦闘員が投降したと明らかにしました。 ガザ地区で撮影されたとされる映像には、服を脱がされ下着姿になった男性が路上に座り、イスラエル軍に連行されていく様子が映っています。 イスラエル軍の報道官は、多数のハマスの戦闘員が投降したとした上で、戦闘員と疑われる数百人を拘束して尋問していると明らかにしました。 一方、アラブ系メディアは、イスラエル軍は一般住民も拘束していて、中にはジャーナリストも含まれていると報じています。 イスラエル軍の空爆などで犠牲になる民間人は増え続けています。ガザ保健当局はこの24時間で350人以上が死亡し、死者が1万7000人以上に上っているとしています。 ロイター通信は、より多くの支援物資を運び込むため、ガザの境界にあるケレム・シャローム検問所を開くことにイスラエルが同意したと報じています。 人道状況が悪化の一途をたどる中、アメリカのブリンケン国務長官はイスラエル側に苦言を呈しています。 ブリンケン国務長官「私がイスラエルで話した民間人の保護、それと今、私たちが見ている現実とは隔たりがある」 また、バイデン大統領もネタニヤフ首相と電話会談し、民間人保護に取り組むよう働きかけたということです。