【時系列でわかる⑪】“ガザ地区での攻撃縮小”を協議 米側、イスラエル首相らと会談(4日~15日まで)
■12月8日 国連・安保理 ガザ地区「停戦決議案」に米が拒否権…否決
国連の安全保障理事会は8日、大規模な衝突が続くパレスチナ自治区ガザ地区での人道目的の即時停戦を求める決議案を採決しましたが、アメリカが拒否権を行使し、否決されました。 ガザ地区での人道目的の即時停戦を求める決議案について、8日の緊急会合では、15か国のうち日本を含む13か国が賛成し、イギリスが棄権しましたが、常任理事国のアメリカが拒否権を行使したため、否決されました。 アメリカは拒否権行使の理由について、決議案にイスラム組織ハマスへの非難やイスラエルの自衛権が盛り込まれていないことなどを挙げました。 アメリカ ウッド国連次席大使 「議案の作成者たちが、なぜハマスを非難する文言を盛り込むことを避けたのか、理解できない」 パレスチナ マンスール国連大使 「安保理にとって最悪な日だ。停戦せよ!停戦せよ!命を守れ!」 決議案はUAE(=アラブ首長国連邦)が提出し、およそ100か国が共同提案国となりましたが、アメリカが拒否権を行使したことで、国際的な批判が高まるものとみられます。 ロイター通信によりますと、ハマスは「非倫理的で非人道的だ」と非難しています。
■12月8日 イスラエル軍、ハマス拘束の人質救出作戦に失敗
イスラエル軍は8日、パレスチナ自治区ガザ地区で、イスラム組織ハマスに拘束されている人質の救出作戦に失敗したことを明らかにしました。 イスラエル軍はガザ地区南部の主要都市ハンユニスでの攻勢を強めていますが、8日、人質救出作戦に失敗し、イスラエル兵2人が大ケガをしたと発表しました。 ただ、この作戦で「多数のテロリストを殺害した」と主張しました。 さらに、この48時間で200人以上を拘束し、ハマスの司令官を含む数十人をイスラエルでの尋問のため、情報機関などに引き渡したということです。
■12月9日 ガザ地区で新たに133人死亡と発表
ロイター通信などは、9日の保健当局の発表として、ガザ地区南部の複数の病院でそれまでの24時間のうちに133人が死亡したと伝えました。
■12月9日 イスラエル軍参謀総長“ハマスに体制崩壊の兆し”
イスラム組織ハマスの掃討作戦を続けるイスラエル軍の参謀総長は9日、ハマスに体制崩壊の兆しがみえると述べました。 イスラエル軍がガザ全土で作戦を続ける中、前線を訪れた参謀総長は9日、「テロリストの降伏は体制崩壊の兆候だ」と述べた上で、さらに攻勢をかけるべきだと鼓舞しました。 こうした中、イスラエル軍は、南部ハンユニスなどを空爆するとともに、住民に対し中心部から退避するよう求めました。ハンユニスの病院には、空爆による負傷者などが次々と運び込まれていて、ガザ保健当局は、これまでに1万7700人以上がなくなったと主張しています。 ユニセフ報道官「私はウクライナで避難を強いられる人々に世界が心を寄せるのをみた。なぜ、ここの人々については世界は目をつぶるのか、理解できない」 イスラエル・メディアは、ネタニヤフ首相がアメリカのバイデン大統領と週末に電話会談した際、南部ハンユニスでの軍事作戦が3、4週間続くとの見通しを伝えたと報じています。 アメリカは10日、戦車の砲弾などおよそ1億650万ドル相当の武器をイスラエルに売却すると発表しています。