東京都の小池百合子知事は2日夜の新型コロナウイルス対策本部会議を受け、政府の観光支援事業「GoToトラベル」をめぐり、東京を出発地・目的地とする旅行について、65歳以上の高齢者や糖尿病・心血管の病気など基礎疾患がある人たちの利用を控えるよう呼びかけた。期間は12月17日まで。 【動画】都がコロナ対策本部会議　小池知事が高齢者らに「GoTo」自粛要請

「自粛か停止か言葉の齟齬を超えて……」

[画像]都の対策本部会議後、報道陣の取材に応じる小池知事

　小池知事は、前日1日に菅義偉（よしひで）首相と面会して「国と都が連携しながら重症者の増加をいかに抑えるかで一致した」と表明。この合意内容を都民への呼びかけとして対策本部会議で決定した。 　都独自の観光支援事業「もっとTokyo」については、既に新規販売は停止しているが、65歳以上や既往症のある人たちには申し込み済みの予約の利用自粛を求める。 　会議後に報道陣の取材に応じた小池知事は、都のコロナ対策の3本柱は（1）死亡者を出さない（2）重症者を出さない（3）医療提供体制の崩壊を防ぐ――だと説明し、今回のトラベルに関する都の対応も「これらに基づいたもの」だとした。 　そして「『東京から』『東京へ』両方（が対象）だが、重症化することで、重症者用のベッドの確保がいかに大変か、それは皆さんが報じられている通り。重症化しやすいのが、高齢者や基礎疾患のある人たちだ」とあらためて注意を促した。 　記者から、知事としては「自粛」ではなく「停止」を望んだのかと問われると「停止か自粛かの言葉の齟齬を越えて、皆さんに協力いただきたいんです。メッセージは、短期に集中して（感染拡大を）止めていこうと、国と都で連携している」と言葉を強めた。