育休入ったら学童退所 戸惑う3児の母、上の子帰宅で寝付かずイライラ…「何でこんなに大変なの?」 親も子も追い詰められる現状
子どもの大切な「居場所」
塩尻市は2015年度から、小学1~3年生は誰でも利用できる制度を導入している。10月中旬の夕方、宗賀小学校の空き教室を改修した「宗賀児童館」を訪れると、学童保育を利用する児童が校庭で遊んだり、室内でおもちゃを使ったり宿題をやったりと、思い思いに過ごしていた。同校では全校児童の半分近い約100人が利用を登録。うち10人は、留守家庭でないなど従来の学童保育の利用条件を満たしていないという。
小学2年の長男想真(そうま)さん(7)が学童保育を利用し、現在は働いていない郷津香生子(ごうづかなこ)さん(29)は「1歳の子どもは目を離せず、長男を預けられるのはありがたい」。想真さんは「友達もいるし、おもちゃもあって楽しい」と話した。市の担当者は、共働きの核家族が増えただけでなく「新型コロナ禍を経て子どもたちの遊ぶ環境が変わり、学童保育は大切な『居場所』になっている」と語る。
「親も子も追い詰める」
長野市の女性も、学童保育は長女にとって大切な居場所だった―と感じている。クラスのほとんどの子が学童保育を利用しているため、長女に「学童に行けばお友達に会えるのに」と言われた。「育休中に利用中止を求めるのは、親も子も追い詰めることになる。少子化問題を考えるとき、学童保育の在り方も見直してほしい」と訴える。