トヨタ「ウーブン・シティ」 25年秋にも始動 まず100人入居
トヨタ自動車は7日(米国時間6日)、建設中の次世代都市「ウーブン・シティ」(静岡県裾野市)の第1期工事が完了したと発表した。2025年秋以降、入居や実証実験を本格的に開始する。豊田章男会長が、米ラスベガスで開催される世界最大級の家電IT見本市「CES」に先立つ発表会で公表した。まず約100人が入居し、外部の企業や起業家らの参加も募り、最終的に2000人が入居する予定。 ウーブン・シティの開発は主に同社の子会社「ウーブン・バイ・トヨタ」が担う。トヨタ社員や協力会社、起業家らが実際に住み、街全体を実験場として、新たな技術やサービスを模索する。人やモノの移動全般を手掛ける「モビリティーカンパニー」への変化の足がかりとしたい考え。 豊田氏は「『生きた実験室』であり、発明者たちが、安全で現実的な環境で、自らのアイデアを自由にテストできる場所。世界中の人々を迎え入れる場所だ」と説明し、スタートアップ企業や研究者の参加を呼びかけた。 第1期エリアの敷地面積は約5万平方メートル。25年秋以降に本格始動し、トヨタの従業員など約100人が入居。その後、外部の企業や起業家らが徐々に移り住み、将来は約70万8000平方メートルの敷地内に約2000人が住む計画。26年度以降は、一般の人にも実証実験に参加してもらう予定。 ◇ダイキン、日清など5社も参加 参加が決まった企業5社とテーマも公表した。ダイキン工業は「花粉レス空間」などに関する実証実験を行う。日清食品は新たな食文化作りに向けた食環境の構築について検証する。 また、トヨタは実業家の堀江貴文さんが創業した「インターステラテクノロジズ」(北海道大樹町)に、ウーブン・バイ・トヨタを通じて約70億円出資し、ロケットの量産化を支援することを決めたことも明らかにした。 ウーブン・シティは東富士工場跡地に建設中。豊田氏が社長だった20年1月のCESで構想を公表した。【秋丸生帆、大原翔】