【週末映画コラム】いじめや差別、それに対する無償の愛の普遍性を描いた『ホワイトバード はじまりのワンダー』/人間の体内の細胞たちを擬人化した『はたらく細胞』
【週末映画コラム】いじめや差別、それに対する無償の愛の普遍性を描いた『ホワイトバード はじまりのワンダー』/人間の体内の細胞たちを擬人化した『はたらく細胞』 2/2
『はたらく細胞』(12月13日公開) 高校生の漆崎日胡(芦田愛菜)は、父の茂(阿部サダヲ)と2人暮らし。健康的な生活習慣を送る日胡の体内の細胞たちはいつも楽しく働いているが、不規則、不摂生な茂の体内では、ブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちが不満を訴えている。そんな中、彼らの体内への侵入を狙う病原体が動き始め、細胞たちの戦いが幕を開ける。 人間の体内の細胞たちを擬人化した設定が話題を集め、テレビアニメ化もされた同名漫画を実写映画化。永野芽郁が赤血球役、佐藤健が白血球役を演じた。監督は「翔んで埼玉」シリーズの武内英樹で、今回もぶっ飛んでいる。 ただのコメディーではなく、父と娘の絆や細胞同士のドラマもあり、派手なアクションに加えて、病気やけがや体内の仕組みについても楽しく学べる。 永野、佐藤のほか、山本耕史、仲里依紗、松本若菜、染谷将太らが、“真面目に”細胞を演じているのが見どころ。だからこそコメディーとして成立している。 彼らの活動を見ていると切なくなり、自分の体の中でもこうしたことが起こっているのかと想像すると、もっと体を大事にしよう、細胞たちに感謝しようと思えてくるから不思議だ。 (田中雄二)