モンゴル出身者が見た中国流商談の卑劣な手口 儒教国家としての認識は改める必要がある
しかしその理想を、現代の中国という国家と結びつけてはいけないということを私は言いたいのである(いや、日本に帰化した一日本人として、言わないわけにはいかない! )。 『論語』のなかでも日本人がよく知る「温故知新」。これなどは今の習近平政権にはまったく当てはまらない。ましてや「己の欲せざるところは人に施すことなかれ」は「何をかいわんや」である。 「仁」「恕」は論語のキーワードであり、その語義はキリスト教の博愛精神にも通じるすばらしい徳であることはいうまでもないが、それが習近平政権にあるのかどうか。『大学』も「修身、斉家、治国、平天下」を説くものだが、どうだろうか。逆に日本の方々に聞いてみたいものである。
楊 海英 :静岡大学教授