ウォルマート 、Amazonに対抗するためオンライン事業を強化中。美容分野と中古品分野を続々拡充
記事のポイント ウォルマートはAmazon式戦略でプレミアムビューティ商品を拡充。 中古品販売拡大を目指し、既存の中古販売カテゴリー・ウォルマートリストアードも強化。 ロジスティクス強化にもより注力し、競争力を高め、成長を加速している。 ウォルマート(Walmart)は、急成長中のサードパーティマーケットプレイスを強化して競合他社から市場シェアを奪うために、Amazon式の戦略を採用している。 米国最大の小売業者であるウォルマートは8月27日、サンフランシスコで開催された自社の第2回セラーサミットにおいて、自社オンラインマーケットプレイスで販売する販売者向けの新しいアップデートを多数発表した。 そのなかには、ビーチウェイバー(Beachwaver)やT3などの20ブランドのラインナップをはじめとする、プレミアムビューティ(Premium Beauty)の自社マーケットプレイスへの導入がある。これは、ウォルマートが美容分野における優位性をライバルのAmazonから死守する試みの表れといえる。Amazonが数々の高級ブランドを自社プラットフォームに取り込んでいるからだ。 また、中古の電子機器や小型家電を販売するウォルマートリストアード(Walmart Restored)の強化版であるリソールド アット ウォルマート(Resold at Walmart)を立ち上げ、中古品・コレクターズアイテムカテゴリーを拡大している。ウォルマートによると、中古品の品揃えには現在、幅広いカテゴリーにわたる1700以上の販売者からの500万点の商品が揃っているという。
Amazonを追いかける
これは、ウォルマートが小売店の規模を超えて成長し、Amazonと競合できるeコマースの巨大企業になることを目指してサードパーティのマーケットプレイスに賭けていることを示す最新の兆しである。ブルームバーグ(Bloomberg)によると、ウォルマートはeコマース事業が今後2年以内に黒字化すると予想しているといい、その目標に近づいている。 同社のグローバルeコマースの売上高は2023年に初めて1000億ドル(約15兆円)を超えた。これによりウォルマートがAmazonに追いつきつつあることが示されているが、巨大なeコマース企業であるAmazonの昨年のオンライン事業の純売上高は、2310億ドル(約34兆円)以上である。 ウォルマート・マーケットプレイスのカテゴリー担当バイスプレジデントであるマイケル・モッサー氏は、「ウォルマートの新しい品揃えは消費者の需要を反映しており、さらなる成長を促進するものだ」と、あるインタビューで語っている。ウォルマートの全米における実店舗の大規模なリテールフットプリントは、競争が激化するeコマース環境において同社のマーケットプレイスが「ユニークな位置付けにあることも意味する」と同氏は付け加えた。 また、モッサー氏は「ウォルマートの店舗やオンラインで買い物をする顧客は週に2億5500万人を超えているため、販売者にとって有意義なビジネスを生み出す機会を提供できる」と言い添えた。