国内最大規模クイーポに聞く苦戦する中価格帯バッグ市場 「コーチ」以上ラグジュアリー未満に注目
WWD:レザーバッグブランド「RSVP」は? 岡田:フランス・パリのボンマルシェの関係者に「感度の良いバッグブランドは?」と聞いたら、「RSVP」の名前が上がり、声がけした。今、バッグ業界では「『コーチ(COACH)』以上、ラグジュアリー未満」のバッグを探している人が多い。「RSVP」のクロスボディバッグは、10万円くらい。8万~15万円くらいの中価格帯で、まさに「『コーチ』以上、ラグジュアリー未満」だ。
「『コーチ』以上、
ラグジュアリー未満」の心は?
WWD:かつての中価格帯は、3万~5万円くらいだった。 岡田:ラグジュアリーブランドの値段が上がりすぎて、中間層が頻繁に買うことは難しくなっている。百貨店各社は富裕層と訪日外国人客に支えられて好調だが、彼ら頼みになっていることに不安を抱いている関係者は少なくない。そこで、「『コーチ』以上、ラグジュアリー未満」をこぞって探すようになった。この価格なら、多くの皆さんに楽しんでいただける。
WWD:「『コーチ』以上」の心は? 岡田:ある程度の単価じゃないと、効率が悪い。
WWD:「RSVP」は、今春デビューだ。 岡田:伊勢丹新宿本店と阪急百貨店うめだ本店で4月から5月にかけてポップアップを開催する。「RSVP」は、期待してくださる百貨店で売っていきたい。
WWD:昨冬は、破たんした三崎商事から「ゲラルディーニ(GHERARDINI)」の事業を引き継いだ。 岡田:独自素材“ソフティ”を使ったバッグは、トートで6万円台~。三崎商事は日本企画だけを販売していたが、クイーポは6月をメドにメード・イン・イタリーのラインを復活させる。トートで7万~8万円台になるだろう。軽さと使い勝手で60~80代に支持されている。確かに既存顧客は高齢だが、今後、この人口は増える。「ゲンテン」の“一本足打法”では不安があるので、しっかり育てたい。
WWD:今後も、新しいインポートブランドに挑戦する? 岡田:先が読めない時代なので、それぞれの素材のトッププレイヤーとのビジネスに取り組みたい。バッグは、素材が命。レザーではなく、例えば布帛など。ラフィアも考えているが、日本では春夏商戦に依存してしまう。どう取り組むべきか考えながら、新しいブランドを発掘したい。
WWD:最後に「ゲンテン」は? 岡田:今年で25周年を迎える。5万円程度のヤギ革のトートバッグを筆頭に定番で売上の8割を担っており、安定している。エコロジーブランドの先駆けとして、強くアピールはしないが、これからもモノの良さとファッション性を訴えたい。