【徹底解説】今度は『106万円の壁』…?いくつも出てきた「壁」には一体どんな違いがあって、何が「壁」となっているのか?税金と社会保険で違う“2種類の壁”について、わかりやすく解説!
今、大きく変わろうとしている年金を取り巻く環境。厚生労働省が新“年金モデルケース”を公表しましたが、経済状況によっては年間14万円も減少する可能性が…。また、厚労省が議論を本格化させている『106万円の壁』撤廃とは?社会保険労務士・井戸美枝氏と元経産官僚・岸博幸氏のダブル解説です。 【写真で見る】あなたは実は“勘違い”している?経済のスペシャリストが『103万円の壁』にまつわる疑問や誤解に全てお答えします!大事なのは「『年収の壁』は103万円の壁より『106万円・130万円の壁』」
■将来の年金は、経済成長によって増減する!?専門家の間でも分かれる意見
今回、厚生労働省が新しい“年金モデルケース”を公表しました。今年度の65歳年金受給例は、会社員の男性(厚生年金に約40年加入・収入約51万円)なら月額17万223円、会社員の女性(厚生年金に約33年加入・収入約36万円)なら月額12万9654円となります。
一方で、『現在30歳の人が65歳になったとき(2059年)の受給額』は、過去30年と同じ経済状況なら、会社員の男性は月額15万8000円・会社員の女性は月額12万4000円で、今年度と比べると、それぞれ年間14万円減・年間7.2万円減となります。
ただ、経済成長あり(1.1%)の場合は、会社員の男性は月額22.9万円・会社員の女性は18.4万円となり、今年度と比べると、それぞれ年間70.8万円増・年間64.8万円増となります。
Q.30年後の経済成長がわからない中、これをどう見ますか? (社会保険労務士・井戸美枝氏) 「『年間で14万円以上減る』というのは、過去30年、何の経済成長もなく、デフレがずっと続いて、賃金も上がらないことが前提です。でも、今は賃金も上がっているし、デフレも脱却しているので、そうはならないと思います。1.1%というのは真ん中のケースですが、この経済成長を重要視したほうが良いと思います。将来はどう変わるかわかりませんが、私は『経済成長あり』の試算になる可能性が、かなり高いと思います」
Q.これから日本に確実にやって来る『少子高齢化』を考えたときに、この1.1%という数字をどう見ますか? (元経産官僚・岸博幸氏) 「僕は結論として、難しいだろうなと思っています。そもそも現状の日本で、経済が自然体で成長できる『潜在成長率』は0.5%しかありません。しかし、この0.5%を引き上げる努力を政府がしっかり政策でやっているかというと、実はあまりやっていない。岸田政権の2年半も、年率は0.6%ぐらいしか成長できていませんから、今の状況が続く可能性も高いと思うので、あまり経済成長は上がると見ないほうがいいです。今は、物価が上がっているだけです」
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