孫文の「大アジア主義演説」から100年…今日へ語りかけるもの
■中国も孫文演説の考え方を理解すべき 一方の「覇道」――。孫文が戒めた覇道=覇権主義の道を今、突き進んでいるのは、孫文の母国・中国ではないか。アジアに限らず、世界中で今、中国が進めている行為は「覇道」に見える。 同時に習近平主席が国内で行っている施策、たとえば少数民族政策や宗教政策、そして台湾への圧力は「王道」には思えない。孫文は、中国で「国父=国の父親」と崇められている。中国指導部にも、神戸での「大アジア主義演説」が意味する「王道」の考え方を理解すべきだ。 そして、孫文を支えた数多くの先人がいた九州、この福岡で暮らす我々こそ、現在の日本のアジアに対する姿勢を問い直してみてはどうだろうか。 ■◎飯田和郎(いいだ・かずお) 1960年生まれ。毎日新聞社で記者生活をスタートし佐賀、福岡両県での勤務を経て外信部へ。北京に計2回7年間、台北に3年間、特派員として駐在した。RKB毎日放送移籍後は報道局長、解説委員長などを歴任した。
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