五十肩・四十肩の治療法を医師が解説 腕が上がらない・肩が痛い症状の治し方
五十肩になったときの対処法や予防法 自宅でのマッサージやストレッチは腕や肩に効果がある? やってはいけないことも紹介
編集部: ほかにも日常生活での注意点はありますか? 宇南山先生: 姿勢に気をつけても痛みが辛い場合は、三角巾で腕を吊ると楽になります。また、「椅子に座るときは、テーブルや肘掛に腕を置く」「就寝時は仰向けで、お腹の上に置いたクッションの上に腕を乗せる」「横向きになって、抱き枕を使う」などを取り入れるだけでも変わってくると思います。 編集部: 逆に、やってはいけないことなどはありますか? 宇南山先生: 動かしにくいからと言って、勢いをつけて関節運動をしたり、制限のある範囲まで動かしたりしないでください。また、患部が熱を持っているときに温めようとするのは逆効果の可能性があります。あとは、自己流のストレッチなども注意したいですね。 編集部: どんなストレッチであれば大丈夫ですか? 宇南山先生: 「テーブルサンディング」と呼ばれる方法がおすすめです。椅子に座って、肘を伸ばした状態で手のひらをテーブル上に置き、お辞儀をしていくことで、肩関節の動きを無理なく促すことができます。テーブルに対し横向きに座っておこなうと、腕を外側に開く動きに対しても同じ効果が期待できます。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 宇南山先生: 肩の痛みに悩んでいる人は、非常に多くいらっしゃいます。放置していても、いずれ良くなる人もいるのは事実ですが、そうでない人ももちろんいます。「私は放っておいても治ったから大丈夫」といった言葉を鵜呑みにして我慢し続けて、一大事になるケースもあります。肩の痛みが辛い人は、一度お近くの整形外科に相談してみることをおすすめします。仮に何年後かに自然治癒するとしても、できるときにできる治療をしておく、そのときに合った治療を選択していくことが重要です。
編集部まとめ
五十肩(四十肩)の病態と、その治療法について、解説していただきました。放置しておいても治癒することはありますが、痛みを軽減したり、動きを滑らかにしたりする治療やリハビリなど、今できることもたくさんあるとのことでした。肩の痛みに悩んでいる人は、お近くの整形外科に相談してみてはいかがでしょうか。
【この記事の監修医師】
宇南山 賢二 先生(うなやま整形外科) 埼玉医科大学卒業。その後、埼玉医科大学病院整形外科・脊椎外科、国立障害者リハビリテーションセンター病院、青梅市立総合病院、秩父市立病院、坂戸中央病院などで経験を積む。2005年、神奈川県横浜市に「うなやま整形外科」を開院。日本整形外科学会認定医・認定脊椎脊髄病医・認定リウマチ医・認定運動器リハビリテーション医、日本医師会認定健康スポーツ医。