結果の出るチームづくりのコツとは? 「チームで働く意味の伝え方」の具体例も公開
チームの「端っこ」に心を砕いていますか?
コツその2は、「端っこにいる人材への刺激」です。 リーダーは、仕事ができる優秀な社員を寵愛し、チームの最後尾にいる人を蚊帳の外に置きがちです。 しかしオセロゲームで、端っこに置かれた石がパタパタと中央の色を変えていくように、オフィスや教室の隅にいる人のボトムアップがチームを強くするのです。 長年チームづくりをしていると、こんなケースがよくあります。例えば、集団の中心メンバーが「野球好き」だった場合。そのチーム内では野球トークが盛んになり、興味がない人たち、話題に入れない人たちは、「趣味が合わないだけ」なのに輪から外れてゆき、コミュニケーション不足によってパフォーマンスを下げ、時には離職してしまうといった負のループです。 リーダーは、配置や年齢バランスだけでなく、こういった会話のバランスにも耳を澄ませ、端っこにいる人材を輪の内側に入れていくボトムアップが必要ですし、彼らのパフォーマンスを励まし、育成し、中心にいるメンバーに、「うかうかしていられないな!」と危機感を持たせていくことが大切です。 8年前、授業であまりネタを披露せず、周囲にも共感者が少ない「怪談好き」の生徒がいました。 僕は個性を潰したくなかったので、嫌がる他の生徒もいましたが、毎授業、彼に怪談話を披露させていました。 学校を辞めずに芸人を続けた彼は、実は本当に霊視ができる子だったので、その分野を伸ばし、今では「シークエンスはやとも」という霊視芸人としてメディアに引っ張りだこです。 手持ちの人的カードを他者に押しつけようとせず、いかにレアカードにしていくか。これもリーダーのやりがいなんですね。 ではまた来週、別のテーマでお逢いしましょう。 桝本 壮志/Soushi Masumoto 1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出。
COMPOSITION=古澤誠一郎 TEXT=桝本壮志