茶畑の除草装置を開発 農研機構など 時短で有機茶拡大へ
農研機構と静岡県、茶関連機械メーカーの寺田製作所は、茶の樹幹下と畝間を効率的に除草する、管理機用アタッチメントを開発した。機械だけで8割以上の雑草を取ることができ、残りを手作業で除草すれば、全て手で行った場合に比べて作業時間を半減できる。輸出向けの有機茶生産にも使えるとする。 茶樹をまたいで走る乗用型管理機の後方に取り付けて使う。管理機が走ると、茶樹の両側で①回転する刃による畝間除草②雑草をかき取る刃による樹幹下の除草――を同時にできる。樹幹下の除草は茶樹を傷めないよう、除草部が強く当たると内側に避けるような仕組みにした。 現地試験の結果、機械だけで雑草を平均83%除去できた。これは雑草の根を残さず除去できた割合。機械除草と手作業での除草を組み合わせると、手作業だけに比べて、幼木園で53%、成木園で78%、それぞれ作業時間を減らせた。特に幼木園は茶樹がまだ小さいため樹幹下が狭く、除草に労力がかかるのが生産現場で課題だった。 同機構は機械除草は現場の省力化に加えて、有機茶の生産拡大にもつながる技術としている。茶(緑茶)の輸出量はこの5年で1・5倍、10年で2・5倍に増加。特に需要が高いのが有機茶で、欧州向けは約8割を占める。 アタッチメントは同社が昨年12月から販売している。
日本農業新聞