50代部長の肩書きは資産ではなく「負債」 目減りする市場価値を上げる5つの方法
平均寿命が延びる一方で、年金は減額されていく可能性が大。ミドル世代も働く期間がさらに長期化することを見据えて、「稼ぐ力」を維持していく必要がある。そこで『THE21』2024年11月号では、派遣社員を経て様々な職場で自らの人材価値を磨き、内閣官房企画官(室長級)として活躍した間中健介氏に、ミドルからの人材価値の磨き方を聞いてみた。 【解説】50代が置かれた厳しい状況 ※本稿は、『THE21』2024年11月号特集「これから10年の生き方・働き方」より、内容を一部抜粋・再編集したものです。
まずは「現実」に目を向けることから
ここ10年で、日本の「マジメなミドル世代会社員」が置かれた状況は激変しました。デジタル化や業務効率化を通じて業務の難易度が格段に上がり、同時に業務量も増加。なのに、賃金は緩やかな右肩下がりです。 私が厚労省の調査をもとに算出したところ、日本の大企業に勤める40歳大卒正社員の賃金は、2016年から2021年までのわずか5年間で、1割ほど下落していました。背景には、コロナ禍の景況悪化、定年延長によるミドル世代の賃金調整、残業抑制等があります。 そんな中で物価の急騰も襲いかかっているのですから、実質賃金はそれ以上に下がっています。私たちの「労働の価値」が急速に目減りしているのです。漫然と会社員でいることのリスクが、あからさまに高まっているとも言えるでしょう。 ピンとこないという方は、毎年届く「ねんきん定期便」を確認し、年金の見込み額(50代以上の方にのみ記載)を通して現実に目を向けましょう。きっとその額は、皆さんが考えるよりずっと少ないことと思います。 そのうえ、皆さんが年金を受け取り始めるまでには、物価も大きく上がります。このため実際は、今「このくらい」と思ったその感覚より、実質的に少ない支給になる(物価上昇分ほど 年金の額は上がらない)のです。 すでに「給与も年金も目減りする時代」が到来しています。定年や役職定年までの時間が残り少ない50代の方々は、第2の人生を生き残るために、早急に自分の人材価値を磨き直す必要があると言えるでしょう。