50代部長の肩書きは資産ではなく「負債」 目減りする市場価値を上げる5つの方法
肩書きは資産ではなく「負債」だと考える
自分の人材価値を高めるためにぜひ取り組んでいただきたいのが、上図で示した「キャリア資産のバランスシート」を書き出してみることです。 中でも特に着目していただきたいのが「負債」の項目。肩書きや会社の看板など、多くの方が資産と感じているものが並んでいて戸惑われたかもしれません。しかし私は、これらは「負債」だと考えています。 なぜなら、これら自体が勝手にスキルになるわけではないからです。肩書きは、あなたに権限と責任を付与するもの。もし部長になれても、部長として成果を出し、新たなスキルを身につけなくては、それは資産になってくれません。 よりわかりやすく言えば、肩書きや会社の看板は、会社からの「貸付、融資」とも表現できると思います。部長になったからといって、その後「ついに部長になれた。これで人生安泰だ」と無為に任期を終えてしまえば、その人は「部長になったのに何もせず、成長もできなかった残念な人」になってしまうのです。 昔であればそれでも部下たちが成果を出してくれたかもしれませんが、競争の激しいこの時代では、そういうわけにもいきません。
今後の目標を決め、それに向かって努力する
肩書きや会社の看板といったものは負債になりますが、当然それを通じて得たスキルなどは「資産」と考えてOKです。 資産の中でも、誰もが必ず強化すべきと感じるのが「目標を立てる力」です。もちろん企画力やITリテラシーといったスキルも重要ですが、ミドル以後のキャリアを自らの手で切り開くには、この力が不可欠だと思います。特に目標がないという方は、何か一つ、趣味に関することでもいいので目標を立ててみるといいでしょう。 また、今や70代半ば頃まで働くのも普通の時代。今50歳の方も、まだあと25年も残っています。会社員として定年に怯えるのではなく、自分のタイミングで「起業」することを目標にするのもお勧めです。 今さら起業なんて、と思われるかもしれませんが、日本政策金融公庫の調査によれば、日本で開業した人の平均年齢は43.7歳だそうです。これは日本に限ったことではなく、例えばシリコンバレーなどでも40代や50代の起業はよくあります。読者の方の周りにも、一人くらいは起業した知り合いがいるのではないでしょうか。