電動バイクレースMotoEからEnelが撤退。その影響は? 2025年の充電設備は?
ただ、MotoEはサスティナブルなイメージを必要とするモータースポーツです。送電線からの電力供給となれば、その電力の発電方法はどうなるのでしょうか。Enelの充電器は、追加のエネルギーとしてEパドックの屋根に取り付けられたソーラーパネルを初電源としていたりもしました。 ヨーロッパの一般道路を走っていると、EVカーを日本よりもずっと多く見かけます。国土の4分の1ほどが海面よりも低いオランダは特に多く、イギリスやフランスなども見かける頻度が高いです。 だからといって、電動化に一直線かといえばそうではないでしょう。ご存知のとおり、2023年3月25日、EUは2035年以降の内燃機関の新車販売禁止の方針を撤回し、e-fuelを用いた内燃機関の新車販売を許可、としました。4輪、2輪ともに、新世代の動力源が模索されているのが現状です。 ひとくくりにするには早計かもしれませんが、今回のEnelのMotoE撤退は、電動化(または電動モータースポーツ)に対する風向きの変化のひとつだと捉えられるかもしれません。 2025年、MotoEは7シーズン目を迎えます。注目度、興行的な面白さという意味でも、成熟を始めなければならないでしょう。 Enelが撤退したMotoEの、新たな挑戦を注視したいと思います。
伊藤英里