電動バイクレースMotoEからEnelが撤退。その影響は? 2025年の充電設備は?
グベールさんは、Enelの撤退についてこう語っています。 「最初に、6年間にわたりMotoEとパートナーシップを結び、特別な素材を開発してくれたEnelに感謝したいです。Enelは部分的に国営企業でイタリア政府が変わった時、Enelの経営陣も変わりました」 ※Enelは民営化されているが、2023年12月31日時点のデータによると23.6%の株式をMinistry of Economy and Finance(日本の財務省にあたる)が保持している 「そして、彼らはモータースポーツを離れてサッカーのスポンサーになることに決めたのです。彼らは6年間、MotoEを支えてくれたのですから、不満はありませんよ」 また、EnelのMotoE撤退はマイナスなことばかりではない、とも言います。 「じつは、この件にはポジティブなポイントがあります。というのも、多くのサーキットが、私たちがさらなる電力供給を求めたとき、前向きに反応してくれたからなんです。とても嬉しかったですね。こうしたことは、7年前、私たちが(MotoEを)始めた当時には考えられなかったことです」 「だからEnelは、内蔵バッテリーを搭載した充電器を作ってくれたわけです。これはつまり、電動化に対する考え方が、徐々に変わってきているということなんです」 「2つ目のポジティブな点は、電線から接続するスタンダードな充電器を使用するので、特殊な設備が必要ないということなのです。これは、電動バイクを手に入れたら、標準的な充電器があれば特別なものは必要なく、誰でもサーキットで楽しめる、ということを示しています。私たちは電動バイクの普及に貢献したいので、こうしたメッセージはとても重要です」 確かに、それらはポジティブな点でしょう。特にひとつ目に関して言えば、現在、ヨーロッパのサーキットでは、ほとんどにEVカー向けの充電ポイントが備わっていることからも、電動化に対するインフラが整いつつあることを感じてはいました。